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SOLAR-B搭載機器の国際会議

一世を風靡した太陽観測衛星「ようこう」の後継機SOLAR-Bは、1999年度に開発研究の予算が認められ、いよいよ衛星プロジェクトとして正式にスタートした。同衛星は「ようこう」の成果を踏まえ、コロナ観測と光球面磁場観測を結合して太陽の電磁流体現象を総合的に解明することを目指しており、可視光・磁場望遠鏡、X線望遠鏡、極紫外撮像分光装置の3つの観測機器を搭載する。これらの観測機器はいずれも国際協力により実現するもので、米国ではNASA、英国ではPPARC(素粒子天体物理学研究評議会)が1998年末までに予算措置を講じるとともに参加研究者チームの選抜を終えている。

プロジェクトの正式スタートを目前にして、搭載観測機器の設計・開発方針を討議する「SOLAR-B観測機器キックオフ国際会議」が1999年3月8日より1週間の日程で宇宙研で開催された。この会議には米国より27名、英国より9名が参加、国内からの研究者・技術者と熱心な議論を交わした。

会議では全体会においてSOLAR-B衛星の科学目的及び共同設計・分担製作の方針が確認された後に、3つの機器毎の分科会において各機器の設計指針、インタフェース条件、開発・試験スケジュール等が具体的かつ詳細に議論された。

ときには激しい議論となることもあったが、いずれの国からの参加者も「ようこう」の経験を良く学んでおり、全般的にはスムーズに相互理解が進み、まずは幸先の良いスタートだったと言えよう。今後は2~3ヶ月毎に各機器毎に小規模なミーティングを繰り返し、プロトモデルの製作と試験、フライトモデルの製作と噛み合わせ試験・総合試験を経て、2004年度の打ち上げを目指した。

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