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衛星の準備(1)基本設計確認会

SOLAR-B衛星は、基本設計を完了し、プロトモデル及び構造・熱モデルの製作に取りかかる段階を迎えている。このため第10回設計会議は、衛星設計のレヴューを目的として、衛星チーム外の工学・理学のグループの参加も得て、「基本設計確認会」として2000年9月12日~13日に開催した。名古屋地方の集中豪雨により伊丹の三菱電機(可視光・磁場望遠鏡担当)や名古屋の三菱重工(ミッションデータプロセッサ担当)の面々が初日に出席できなくなるハプニングもあったが、プログラムのやりくりで凌いで、衛星の全般にわたって、詳細かつ全面的な検討がきわめて活発に行われた。

その検討のなかで明らかになったいくつかの課題は以下のようなことだった。現状では総重量が900キロの目標値に対して40キロ弱超過している。衛星構造及び観測機器の軽量化が強く求められている。SOLAR-Bの3つの望遠鏡は高い空間分解能が売り物だが、これの達成は衛星の構造・熱安定性、姿勢安定度にかかっている。ゴールはまぢかとは言え、姿勢系センサの熱歪み対策及びアクチュエータの擾乱対策にそれぞれ課題が残っている。打上げ直後の初期シーケンス、テレメータ・コマンド系、地上系などにも検討に積み残しがあることが指摘された。

これらがオープンに議論されたことにより、その後の検討に拍車がかかったことが最大の収穫だろう。なお、この時点では、打上げの1年延期に伴うマスタースケジュールの見直しが進行中であったが、国際協力に関わる部分も含め、現在までに新しいスケジュールが確定している。

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