第9章 M-Vの衛星たち

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「ひので」──最後のM-Vを友として

M-Vロケット7号機は、2006年9月23日6時36分、予定の日、予定の時刻に打ち上げられ、世界第一級の太陽観測衛星SOLAR-Bを所定の軌道に投入、その名を永遠に歴史に刻むことになった。命名「ひので」。

いろいろなことを試された打上げだった。秋雨前線の影響による天候不順、そして台風や雷の襲来。実験場のあちこちが直接に被害を受けたばかりでなく、商用電力の停電に備えて酷使した自家発電機が悲鳴を上げるなど、内之浦の地上設備は満身創痍の状態だった。しかも、この打上げの後にM-V終了という不安定な精神状態。締めくくりは、お決まりのようにやってくる発射の瞬間の雨。こうした困難をすべて乗り越え、予定の日にきれいな成功を飾ることができた。実験班のチーム一丸となった見事な勝利だった。

M-Vロケットは、全段固体で惑星探査までやり遂げることのできる、過去にも現在にも世界のどこにも例のない史上最高の固体ロケットである。しかも今回のフライトオペでは、前号機から連続して機体系の不具合が1件もなしという奇跡をも超える大記録の達成となり、あらためてM-Vロケットの信頼性の高さを証明する結果となった。
 まさに、M-Vロケットは惜しまれつつ引退することになった。

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