第9章 M-Vの衛星たち

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感慨

打上げ後の記者会見に臨むプロジェクトマネージャの小杉健郎

──M-Vロケットは最後になるが次に続くロケット開発がある。みんなついて来い、一緒に頑張ろう。自分でも気がつかないうちに肩に力が入っていたんでしょうね。第2組立オペで勇ましく語った翌日に腸炎で40度近く熱をだし、小杉先生から自分の体をもう少し大切にしなさいと叱られました。その小杉先生自身はフライトオペで足を骨折、一方実験場は度重なる落雷と台風の被害。まさに満身創痍の状態でしたが、終わってみれば一日の遅れもなく、お約束のようにやって来た発射の直前の雨にも動じず、これまでで一番美しい打上げだったと思います。すべては笑い話だったね……

内之浦婦人会による千羽鶴のプレゼント

内之浦婦人会による千羽鶴のプレゼント

そう思っていた矢先に、二人三脚で打上げに取り組んできた小杉先生のまさかの旅立ち。美しいひのでの観測データが新聞の一面を飾ったその同じ日に小杉先生の訃報が最終面に載るとは。打上げ後の記者会見で、ロケットの皆さんのおかげです、と嬉しそうに笑ってくださった先生のお顔が忘れられません。──(森田泰弘)

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