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衛星の準備(4)構造モデルが姿を現す

姿を現した「ひので/SOLAR-B」構造モデル

姿を現した「ひので/SOLAR-B」構造モデル

SOLAR-Bは可視光、X線、極端紫外光を用い、各波長帯で、これまでにない角度分解能で、太陽を同時・連続観測する。日米英の国際協力の下、各国で、設計・製作が進んでいる。これまでに、各望遠鏡、バス部の構造モデルが製作され、構造モデル試験のため、5月のはじめに試験スタッフ共々、宇宙研に結集した。組み上がり、勇姿を現した衛星は、想像以上に大きく、迫力がある。バス箱の上に可視光磁場望遠鏡とその焦点面パッケージ(中央)が鎮座し、これをX線望遠鏡(右)・極端紫外望遠鏡(左)が、さながら太刀持ち・露払いという格好で取り囲んでいる。

振動・衝撃、音響試験は、各装置がM-Vロケットの打上げに、構造的にも光学性能的にも耐えることを確認することが目的である。打上げ環境を模擬する振動・衝撃を宇宙研飛翔体環境試験棟の加振機にて、音響環境を三菱電機鎌倉製作所の試験設備にて加えた。これらの前後で各望遠鏡間の指向方向に変化がないか、アライメントキューブを用いて測定した。また、要となる可視光磁場望遠鏡では、ガラス製の鏡が実装されており、干渉計を用いた測定により光学特性の検証が行われた。秒角をしのぐ姿勢安定度を達成する上では、モーメンタムホイールなどの機器が生み出す微小な擾乱を把握する必要がある。そこで、微弱な振動を検出する加速度センサを用い、微小な振動が構体を伝達するのを測定した。構造モデル試験は7月まで続けられた。

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