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「れいめい」──先進技術実証と小型科学衛星への挑戦

M-Vロケットで打ち上げた衛星ではないが、今後の固体ロケットの親しい友となる可能性の高い、ひとつの画期的なプロジェクトについて語らなければならない。

1970年に誕生した日本初の衛星「おおすみ」以来、ロケットとともに大型化を進めてきた科学衛星は、それにつれてその成果も多彩で国際レベルに達し、X線天文学、宇宙プラズマ物理学、電波天文学、赤外線天文学のように、世界をリードする実績を挙げるようになってきている。

しかしそれにつれて問題点も浮かび上がってきている。最近の科学衛星では、計画開始から10年以上たってからでないとその成果が得られない。また、そのコストも、打上げコストを含めて150億円以上となってしまう。

したがって従来の大型・中型の衛星で世界と勝負する一方で、新規開発した衛星技術をいち早く軌道上で実証し、かつタイムリーに科学的成果が得られるようなタイプの小型の宇宙観測にもチャンスを与える必要が感じられてきた。先進技術の実証をねらうINDEX(Innovative Technology Demonstration Experiment)という小型科学衛星のシリーズが提案されたのは、以上のような事情があったからである。

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