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34mアンテナの完成

34mアンテナ(手前)と20mアンテナ

内之浦34mφアンテナ(左)と20mφアンテナ

車で内之浦に近づいていくと、「おおすみ」と追跡アンテナの模型のある小公園を過ぎたあたりから、前方かなたの山の上に二つの傘型の構造物が見えはじめる。従来、二つともほぼ同じ大きさだったが、1998年の秋から、右側の傘が一際大きくなった。道が内之浦の街に入り、広瀬橋をわたるあたりに来ると、構造物がパラボラアンテナであることは明瞭になる。向って右側の大きなパラボラ、それが1998年12月に度完成した、直径34mの科学衛星追跡用アンテナである。

「KSC科学衛星追跡管制設備」の総称のもと、「科学衛星追跡用大型アンテナ設備」と「S/X帯追跡管制設備」という二つの設備の製作が1996年に始まった。KSCにおける衛星追跡を本格的な2局体制にすることを目指すのである。設計に当って、深宇宙探査機に対応するための機能ももたせた。テレメータ台地の18mアンテナを撤去し、その跡に建てることにした。大がかりだったアンテナ建設工事も、台風に妨げられることもなく、無事に終わった。1998年11月末には全設備の立合検査が行われ、引続き、ジオテイルを使った追尾等の試し運転が始まった。

この工事に先立って解体した18mアンテナの銘板には、1962年12月という数字が刻まれていた。この新たな34mアンテナ追跡局も、日本の科学衛星を、今後永く支えていくものとなるだろう。とりあえずの大仕事は「のぞみ」の追跡である。

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