第9章 M-Vの衛星たち

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ロケットの準備(1)仮組

C棟での衛星総合試験と並行して、1999年5月12日より24日にかけて、日産・富岡工場において、ロケット頭胴部へのASTRO-E仮組試験が行なわれた。この試験には、下部構造と伸展光学ベンチをフライト品、側面パネルを構造モデルとし、機械的に実衛星と同等なモデルが使用された。試験の主な目的は、衛星とロケットとのインターフェースおよび組み付け手順の確認、衛星とノーズフェアリングとの干渉のチェック、および組み付け後に行なう作業の作業性の確認である。

ASTRO-E衛星は宇宙研の他衛星と比べても特に大型で、フェアリングとの干渉に関しても、ぎりぎりの設計がなされている。特に、伸展光学ベンチの最上面に取り付けられたサンシェード部の形はmm単位で入念に設計されたものであるため、確認作業は慎重に行われ、ほぼ設計通りのクリアランスが確保できていることが確認された。頭胴部仮組試験に使われた衛星フライト品は5月末には宇宙研C棟に戻され、その後の試験に参加した。総合試験は11月末まで続き、期待される科学的成果に熱い思いを馳せながら、2000年1月の打上げの成功に向け、チーム全員が一丸となって努力を続けていった。

ASTRO-E衛星とノーズフェアリングの干渉チェック

ASTRO-E衛星とノーズフェアリングの干渉チェック

仮組立は、作業場所の高さの制約などから、第1段部分、第2段部分、頭胴部に分けて行う。第1段部分の仮組立は、1999年1月から2月にかけて行い、第2段部分は4月に終了した。次いで頭胴部仮組立は4月19日から始められ、作業は順調に進み、5月17日にはASTRO-E衛星を搭載した上でノーズフェアリングを被せ、問題のないことを確認した。

その後頭胴部は再分解され、予定通り5月25日にすべての作業が終了した。仮組立は毎号機日産自動車(株)の工場で行っていたが、M-V-4号機は1998年に移転した群馬県富岡市の新工場で行われた。従来の荻窪工場と比べ交通事情が大きく変わり、当初はとまどう様子も見られたが、関係者各自の覚悟と工夫が行き届くようになった。

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