第9章 M-Vの衛星たち

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ロケットの準備(2)モーションテーブル試験

M-V-4号機のモーションテーブル試験は、1999年5月18日から開始され、6月18日に終了した。毎号機のこととはいえ、搭載される慣性センサー、航法・誘導計算機を用いる最終の試験であるだけに、試験は慎重を期し、時には深更におよぶまで十分な時間を費やして行われた。4号機の飛翔シーケンスは、M-Vになっては初めての標準機構成である。

M-Vロケットの第2段目は、5号機からは新型のモータに移行する予定で、制御系の要素としても、LITVC(2次流体噴射式の推力方向制御器)は可動ノズルに変更されることになっており、今回での試験が最後になる。

M-V-4号機姿勢制御のためのモーションテーブル試験

M-V-4号機姿勢制御のためのモーションテーブル試験

第1、2段の制御には、格別の変更はないが、第3段での衛星分離では、これが標準ではあるが、姿勢を180度反転させる制御が導入されている。これは、衛星が最初の遠地点で行う近地点高度上昇のためのマヌーバを、円滑に行わせるために行われる打上げロケット側からの支援である。姿勢は、第3段が燃え終わってほどなく、鹿児島から可視の間に、地表面方向を経由して正反対の方向へと移行する。ちょうど、鹿児島に望遠鏡の開口部が向くことになる。衛星分離の際の追突防止のマヌーバーも今回から初めて採用された方式で、第3段のロケット側の姿勢制御装置(SJ)を用いて、姿勢をほぼ進行方向から鉛直に近い向きにまで方向を変え、残留推力加速度と姿勢操作によって発生する自らの回避運動を併用して、衛星から退避するマヌーバーである。

最終日の6月18日には、所内関係者へのデモンストレーションも行われ、普段はなかなか関心を集めにくいこのモーションテーブル試験ではあるが、大勢の人々が視察に現れ、まずは姿勢制御系試験は無事に終了した。

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