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LUNAR-A計画の中止

その後JAXAにおいては、H-IIAロケット6号機の打上げ失敗、「みどり2」及び「のぞみ」の不具合を踏まえ、再発防止に万全を期すため、ロケット・衛星の総点検を実施するとともに、JAXA全体の打上げ計画の検討が行われた。ペネトレータについても、若干の技術的問題を積み残すこととなった。こうしてペネトレータの開発に手間取り、その技術が完成する見込みまではこぎつけたものの、それを搭載する母船の電子部品の枯渇と接着剤の硬化等という点に鑑みて、LUNAR-Aプロジェクト自体は2007年はじめに中止の止むなきに至った。LUNAR-Aプロジェクトを、当初の目標を達成できていない状態で中止せざるを得なくなったことは、誠に残念で遺憾なことである。プロジェクト開始から17年の長い道のりだったが、これまでご協力いただいたすべての方々に対し、深く感謝の気持ちを表明したい。

最後に情報。最近、ロシアからLUNAR-A方式のままのペネトレータをロシアの探査機「ルナ・グローブ」で打ち上げたいという話があり、調整が始まっている。ほかの国からも打診がある。捨てる神あれば、拾う神あり。今後の世界の惑星探査の高まりの中で、長い苦労の末日本の技術陣が完成させたペネトレータ技術が、大きく花開くことを期待したい。

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