第9章 M-Vの衛星たち

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いよいよ獲物に舞い降りる! ターゲットマーカーも分離

11月4日4時17分、「はやぶさ」は、地上からの指令で「イトカワ」に向けリハーサルのための降下を開始した。その時の高度約3.5km。この降下の目的は4つ──
(1)搭載した近距離高度計の較正
(2)ターゲットマーカーが表面降下の際に役に立つことの現場での確認
(3)画像処理機能の確認
(4)探査ロボット「ミネルバ」の投下

作業は中途まで非常に順調で、姿勢制御も降下中の高度・速度の制御も、順調に行われた。ところが、高度約700m付近まで降下したことを確認した時点で、自律航法機能の航法誤差が許容値を逸脱したことを検出したため、日本時間12時30分、地上からの指令で以降の試験を中止し、続いて上昇指令を送信した。

残念ながら、4つの目的は果たすことができなかったので、再挑戦ということになる。ただし、今回のテストで、自律航法・誘導機能をかなりの低高度まで試験できたことは一定の成果だ。胃の痛くなるような、でも痛くなるヒマのない緊迫したオペレーション。一筋縄ではいかない。ここ一両日中が、本番前の最も大切な時間帯である。貴重な時間が過ぎていく。

11月4日の降下試験の解析結果を受けて、11月9日に、航法誘導機能の確認を目的とした降下試験を実施。この試験は、上述の事柄をあらためて確認し、4日に実施できなかった近距離レーザー距離計とターゲットマーカーに関するチェックが目的だった。降下は、一度70mまで降りた後、もう一度ホームポジションからの降下を500mあたりまで行った。本番に向けていろいろと問題は残されてはいるものの、画像の処理への対処は有効で、ジェットの噴射による並進加速度の外乱補償にも成功、さらに、近距離レーザー距離計は、表面に接近したあたりで実際の距離を計測し、正確な出力が確認された。

「はやぶさ」の着陸予定地点

「はやぶさ」の着陸予定地点

「はやぶさ」のフラッシュに光るターゲットマーカー

「はやぶさ」のフラッシュに光るターゲットマーカー

そして第2回目の降下点において、ターゲットマーカーの分離を試み、正常に分離された。またフラッシュランプをマーカーに間欠的に当てて撮影し、「イトカワ」を背景とする撮影からターゲットマーカーのみを抽出する画像処理機能も確認できた。このターゲットマーカーは「イトカワ」の地上には到着しなかったが、あくまで分離テストであり、これには88万人の名前は搭載されていない。

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