第9章 M-Vの衛星たち

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「ひので」──太陽画像の取得を開始

2006年10月23日、X線望遠鏡の初画像がモニタ画面に表示され、運用室に歓声が上がった。「ようこう」軟X線望遠鏡よりはるかに鮮明な太陽コロナ像が得られたのだ。太陽活動の極小期なのに東西の太陽リム近くに小さな黒点群があり、その上空が明るい。X線輝点と呼ばれる小さな明るい斑点がたくさん見えることにも驚いた。

続いて25日、可視光望遠鏡のドア開け、初画像の取得に挑戦。万が一、この大きなドアが高速で開いたら衛星の姿勢が崩れてしまうので、緊張する。コマンドが打たれ、アクチュエータの温度が上昇し、突如、衛星の姿勢センサがわずかな揺れをキャッチ、ドアが静かに開き始めた。一安心。そして、初画像受信を待ち構える運用室の面々に、静かに感嘆の声が広がった。モニタ画面に、太陽表面の最も細かな模様である「粒状斑(グラニュール)」と、その境界線上に現れる「磁気要素」とが見事に映し出されていた。

「ひので/SOLAR-B」可視光磁場望遠鏡SOTによる太陽画像

「ひので/SOLAR-B」可視光磁場望遠鏡SOTによる太陽画像

最後は極端紫外線撮像分光装置。28日、最後のドアを開くコマンドが打たれ、分光撮像データが受信され、自慢の高感度、高スペクトル分解能が直ちに確認された。

かくして、「ひので」は衛星システムのクリティカルフェーズを終了、観測機器の調整・較正・初期観測を課題とする初期運用の第2段階に入った。11月9日早朝には水星の太陽面通過を観測し、機器較正・初期観測も着々と進んでいった。

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