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「はやぶさ」がめざす技術

「はやぶさ/MUSES-C」イオンエンジン

「はやぶさ/MUSES-C」イオンエンジン

「はやぶさ/MUSES-C」イオンエンジンテスト

「はやぶさ/MUSES-C」イオンエンジンテスト

「はやぶさ/MUSES-C」サンプラーホーン

「はやぶさ/MUSES-C」サンプラーホーン

「はやぶさ/MUSES-C」プロジェクトチーム

「はやぶさ/MUSES-C」プロジェクトチーム

「はやぶさ」プロジェクトは工学実験の探査機計画であり、種々の多様な新規技術の開発と実証を目的としていてそれらは総合工学の研究計画として位置づけられている。一方、理学面においては、太陽系探査の視点を始原天体へと展開し、サンプルリターンという新たな探査方式の実証を行うことが「はやぶさ」プロジェクト目的の根幹である。

小惑星サンプルリターン計画の宇宙研における検討は、実はかなり古くに始まっていて、すでに1978年にはそのテーマでの検討が開始され、次いで初の惑星間探査機「さきがけ」が成功裏に打ち上げられ、「すいせい」の打上げを間近にひかえた1986年6月には本格的な研究会が始められた。その翌1987年には、小惑星アンテロスを対象として、90年代に想定するミッション例として化学エンジンによるサンプルリターンの構想がまとめられたが、時期尚早でプロジェクトとして提案されることはなかった。ただ、この段階で早くも惑星間軌道からの直接リエントリーが必須技術であることが報告・提案されていたことは特筆に価する。

「はやぶさ」で開発・実証を目的としている以下の4つの新技術要素は、まさに宇宙技術の金メダルともいうべき難題への挑戦であった。

(1)イオンエンジンを主推進機関とした惑星間航行
(2)光学観測による自律的な航法と誘導方法
(3)惑星表面の標本採取技術
(4)惑星間軌道からの大気圏への直接再突入と回収

 あまり強調されてはいないが、このほかにも二液の小推力化学エンジン、総電力固定のデューティ制御型熱制御、イオンエンジンを閉ループに組み込むホイールアンローディング、PN-code超遠距離測距、リチウムイオン2次電池の採用など、各種の新たな衛星・探査機技術が導入されている。「はやぶさ」はまさにハイテク・ロボット宇宙船である。

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