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INDEX‐1号機の経緯

「れいめい/INDEX」搭載プラズマ粒子観測機器

「れいめい/INDEX」搭載プラズマ粒子観測機器

INDEXの初号機。工学ミッションとしては、1台の高速CPU(60MHz)ですべての衛星機能を処理する統合化制御システム、高密度リチウムイオン二次電池、SOIデバイス等の搭載実験をすることとなった。また理学ミッションとしては、理学委員会からの公募の結果、オーロラの微細構造を極軌道から観測するカメラ3台と粒子計測器の搭載が決定され、当初は、H-IIAの副次的なペイロードとして60~70kg級のINDEX衛星を2004年度頃に打ち上げるよう計画された。衛星コストが4億円程度の小型衛星である。

INDEXは、先進的な衛星機器を搭載している一方で、衛星のシステム設計、搭載ソフトウェアの開発、衛星試験など全般の作業を、衛星システムメーカーにたよらず、宇宙研の職員の手でこなしていった。その実践的開発のなかから、次世代の衛星技術の萌芽をうみだすインキュベーターの役割をも担ったのである。ベンチャー技術者と密な協力関係をもちながら、技術に立脚した試験作業、討議のなかで、楽しく試験がこなされていった。

初めから覚悟の上であったとはいえ、計画の趣旨から衛星システム構築から様々な試験まで自らの手で行うことは極めて波乱万丈で、関係者全員が衛星作りの難しさを身にしみて味わうこととなった。そして宇宙技術・宇宙科学に取り組む本来の精神に立脚した仕事が、粘り強く追求され、それは打上げ、追跡、観測、解析も含め、感動的な成功を収めたのであった。

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