市村清新技術財団の第52回(令和元年度)の市村学術賞 貢献賞を、「はやぶさ2」のプロジェクトメンバーである佐伯孝尚氏・澤田弘崇氏(JAXA)および松崎伸一氏(日本工機株式会社)が受賞しました。

受賞のテーマは「人工衝突体による遠方天体地下掘削技術の実現」です。衝突装置(SCI)によって小惑星リュウグウ表面に人工クレーターを生成することに成功したことと、その人工クレーター生成の様子を分離カメラ(DCAM3)で撮影することに成功したことを評価していただきました。

市村清新技術財団会長の桜井正光様よりいただきました表彰状と記念碑(画像クレジット:JAXA)

市村清新技術財団会長の桜井正光様よりいただきました表彰状と記念碑 (クレジット:JAXA)

受賞式は、4月に予定されていましたが、新型コロナウイルスのために7月に延期になりました。しかし、残念なことに受賞式は中止になってしまいました。受賞式の写真の代わりになりますが、受賞者の写真です。

受賞者の写真。左から澤田弘崇氏、佐伯孝尚氏、松崎伸一氏。(画像クレジット:JAXA)

受賞者の写真。左から澤田弘崇氏、佐伯孝尚氏、松崎伸一氏 (クレジット:JAXA)

今回の受賞につきまして、「はやぶさ2」プロジェクトの成果を評価していただきました市村学術賞審査委員の皆さまおよび市村清新技術財団の皆さまに感謝いたします。

受賞者のコメント

今回の受賞は、未知天体の表面掘削とそのリアルタイム観測を実現したことに関していただきました。探査機の打ち上げが頻繁でないわが国では、数少ない探査の機会に、探査対象天体の細部まで調査することが極めて重要でした。特に天体の内部探査は、大きな課題でしたが、新しいアイデアを導入することによって一つの解決法を示すことができました。

今回実現した手法は、将来の探査ミッションにも応用することも可能であり、また、アイデア次第で非常に魅力的なミッションを実現できることを示すことができたと思います。
今後も新しい挑戦を続けていきたいと思います。

本受賞については、一緒に研究・開発を行った研究者、メーカーの皆さま、そして困難な運用を成功させたはやぶさ2プロジェクトチームの皆様のおかげと心から感謝しております。
また、成果を評価いただきました市村学術賞審査委員の皆さまおよび市村清新技術財団の皆さまに深くお礼申し上げます。 (佐伯孝尚)

参考