将来計画国際紫外線天文衛星 WSO-UV

ロシアが主導する口径1.7mの国際紫外線天文衛星計画。日本は搭載装置の一つである紫外線分光器UVSPEXを開発し、世界で初めて太陽系外における地球型惑星の上層大気観測を目指します。2025年打ち上げ目標。

宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星 LiteBIRD

地球のような惑星は他にあるのでしょうか?地球のように陸と海を持ち、生命が進化・繁栄しているような惑星は、太陽系には他にありません。一方、太陽系の外には地球と同じくらいの大きさで、その惑星系の太陽からの距離が近すぎず遠すぎず、表面に海があってもおかしくはない惑星も見つかってきています。このような惑星に、本当に、地球のように大気があって、海があるのか?この疑問には、まだ答えが出せていません。

太陽系では、地球や金星などの惑星の写真が撮れていて、海を持つ惑星かどうかは、すぐに見分けがつきます。しかし、太陽系の外の惑星は非常に遠くにあり、画像で判別することは現時点ではできません。直接、海を見ることはできませんが、上空に広がる大気は観測し、分析することができます。地球に似た大気を持つ惑星では、特に酸素原子大気が遠くまで広がっていると予想されています。逆に、金星に似た大気を持つ惑星はあまり広がりません。そこで、この遠くまで広がった大気の観測によって惑星の性質を捉えることができます。

太陽系の外の惑星について上空に広がる大気を調べるためには、暗い紫外線を観測する必要があります。そのためには、大型の紫外線宇宙望遠鏡と高感度の観測装置が必要です。ロシアが開発中の口径1.7mの紫外線宇宙望遠鏡World Space Observatory Ultraviolet (WSO-UV)と日本が開発中の紫外線分光器UV Spectrometer for Exoplanets (UVSPEX)を組み合わせることで、初めて地球のような惑星の上空に広がる大気を観測することを目指します。

日本では、JAXA、立教大を中心としてUVSPEXの開発を進めており、現在は試作機の設計が完了しつつあります。ロシアでは天文学研究所(INASAN)と宇宙科学研究所(IKI)の研究者がUVSPEXとWSO-UV本体を接続する部分の開発を担当しています。また、この観測に向けた惑星大気のシミュレーションを日本の研究チームが主導しており、国立天文台、東京大学、東北大学を中心として、観測ターゲットの選定を含む観測計画を検討しています。

系外惑星の観測は、「多数の惑星を発見すること」から「大気観測による環境推定」に移行しつつあり、UVSPEXは地球型惑星についていち早く大気観測を進める計画となります。