観測ロケットK-10

K-10型ロケットは、最初科学衛星計画のための技術試験機として計画され、1号機K-10S-1(1965年8月打上げ)は直径300mmの球型モータの飛翔試験、2号機K-10-1(1965年11月)は姿勢制御試験に供された。

S-210 MT-135

K-10型ロケットは、最初科学衛星計画のための技術試験機として計画され、1号機K-10S-1(1965年8月打上げ)は直径300mmの球型モータの飛翔試験、2号機K-10-1(1965年11月)は姿勢制御試験に供されました。
その後大直径、大重量のペイロード能力を生かして制式観測機として用いられるようになり、本来の技術試験機はK-10Cの名称で存続することになりました。
因みにK-10C-1号機はM-4S第2段のフレアの性能試験、同2、3号機は2次噴射によるTVC装置の試験、同4号機はM-3Cの1~2段の開傘型接手の機能試験、同5号機は固体モータロール制御装置(SMRC)の試験に用いられ、Mロケット開発史上重要な役割を果たしました。
一方観測機としては近年大重量を生かして姿勢制御装置を搭載し精密な天文観測を行うことが多く、例えばK-10-13号機による銀河軟X線の観測ではその成果は衛星1機に相当するとの評価を得ました。ただし、観測機としての役割はその後S-520に譲りました。モータは第1段420(UP)、第2段420%ともL-3型ロケットの第2、3段からの流用で、推進薬はともにウレタン系(UP-10)のフロック・ボンディング方式、チャンバーは高張力鋼HT-140を使用しています。その後第1段はK-9Mと共通化されました(43号機よりK-9MがK-10型を使用)。1~2段切離しはラプチャ・ディスク方式、開頭部は平行開頭方式でした。飛翔安定は第1段は尾翼安定、第2段は尾翼とスピンの併用でした。スピンは、K-9Mと異り、ノズル出口部に迎え角をつけたベインを取付けて与えました。ベインは燃焼中にあらたか焼失してしまうのでこの点を考慮して設計されました。
K-10型ロケットは、1980年までの間に計14機が飛翔しました。