宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所(ISAS)所長 國中 均が、全米工学アカデミー(NAE)の2025年外国人会員(international member)として選出されました。
全米工学アカデミーの会員資格は、エンジニアに与えられる最高の専門的栄誉の一つです。國中所長の選出理由は、宇宙機の電気推進技術と、小惑星探査機「はやぶさ2」のサンプルリターンミッションにおける功績が評価されたものです。
國中所長のこれまでの研究と開発は、電気推進技術の進展に大きく貢献し、特にイオンエンジンの技術革新を通じて、小惑星探査機「はやぶさ」、「はやぶさ2」の成功に寄与しました。「はやぶさ2」は、2014年の打上げから2020年のサンプル回収まで、前例のない成果を上げ、日本の宇宙探査技術の発展に大きく貢献し、現在は「はやぶさ2」拡張ミッションに引き継がれています。これらの功績が国際的に認められたことは、日本の宇宙工学分野にとっても大きな誇りであり、今後のさらなる技術革新が期待されます。
國中所長を含む今回新しく選出されたメンバーは、2025年10月5日に開催されるNAE年次総会にて正式に就任します。
【JAXA宇宙科学研究所長 國中 均のコメント】
最初、件名「Welcome to the National Academy of Engineering」というメールが舞い込み、「エンジニアリング業界へのあなたの卓越した貢献を称え(in recognition of your distinguished contributions to the engineering profession)」と書いてあり、何のことだろうと訝ってたところ、米国の友人から、ぞくぞくと「Congrats」のメールがやって来まして、ようやく事の重大さに気が付きました。
日本の科学技術振興や世界の宇宙科学の発展に、寄与するべく努力してきた事柄を、これまでも国内からはもとより世界の宇宙組織からお褒めをいただきました。
しかし、全米工学アカデミー(the National Academy of Engineering)の外国人会員への抜擢は、私にとってはビッグバン/インフレーション理論より遥か向こう側の想定外です。
私と、私の同志が積み上げた成果をご評価いただきまして、感謝の念に堪えません。
この経験を世界に伝え、若者たちを刺激したいと存じます。