国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2026年9月1日(火)午前4時35分に、気球搭載ペイロードの高度な姿勢制御実験を目的として、2026年度気球実験の大型気球B26-03号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積30,000 m3(直径42 m)のポリエチレン気球で、毎分およそ230mの速度で上昇しました。
気球は、放球の約1時間30分後に大樹航空宇宙実験場東方約100kmの太平洋上において高度約21kmで水平浮遊状態に入りました。その後午前10時55分に指令電波により切り離された気球及び搭載機器部は、大樹航空宇宙実験場東方約110kmの海上に緩降下し、午後0時29分(正午すぎ)までに回収船によって回収されました。
なお、気球搭載ペイロードの高度な姿勢制御実験に関しては、今回取得したデータを詳しく解析し、今後の研究を進めていきます。
放球時の地上気象状況は、天候:くもり、風速毎秒3 m、気温:摂氏17度でした。
※実験概要
気球を用いる天体観測などの研究において、望遠鏡などの光学系を目標天体に向けるための高度な姿勢制御装置が不可欠である。そこで、過去の気球実験で用いられた姿勢制御技術や、これまでに開発してきた変位計測技術などを応用・融合し、気球を用いた次世代の天文観測など広範な研究に適用できる高性能かつ小型軽量な姿勢制御装置の実現を目指している。本実験では、姿勢制御装置の中の粗姿勢制御系を搭載し、気球環境下にてその性能を評価する。別途開発中の精密制御系を本実験で評価する粗姿勢制御系と今後統合することを計画しており、本実験は将来の精密姿勢制御技術獲得に向けた第一段階となる。
※BACS0:Balloon-borne Attitude Control System 0 (気球搭載姿勢制御システム0号機)
JAXA格納庫内でガス充てんされる大気球B26-03号機と放球装置にセットされた搭載機器 (クレジット:JAXA)
放球直後の大気球B26-03号機 (クレジット:JAXA)
