国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成27(2015)年8月22日(土)午前5時2分に、国際宇宙ステーション(ISS)からの放出衛星(EGG)に搭載予定の機器の動作確認と運用確認試験を目的として、平成27(2015)年度第一次気球実験の2号機BS15-07を連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張時直径11 mのゴム気球で、毎分およそ380 mの速度で上昇しました。

ゴム気球は、放球1時間36分後に大樹航空宇宙実験場東北東約55 kmの太平洋上において高度約31.7 kmに達しました。供試体はパラシュートにより、大樹航空宇宙実験場東北東約95 kmの海上に緩降下しました。

放球時の地上気象状況は、天候:小雨、風速毎秒15 m、気温:摂氏17.8度でした。

本実験をもちまして平成27(2015)年度第一次気球実験を終了します。
なお、第一次気球実験での実施を予定していた大気球実験B15-02の実験は、実験機器側の調整に時間を要し、また今後の気象条件が気球飛翔運用に適さないため、今季の実施を見送ることとしました。

実験にご協力いただいた関係各方面の方々に深く感謝いたします。

参考

本実験は、将来の地球帰還システムへの応用が期待されている展開型柔軟エアロシェルによる大気圏突入システム開発の一環として実施されたものです。現在、ISSから放出される超小型衛星として東京大学を中心に開発中の"EGG(re-Entry satellite with Gossamer aeroshell and GPS/Iridium)"実験機の前段階試験になります。

本実験では、"EGG"実験機とほぼ同等の機能を有するエンジニアリングモデルを小型気球により高空まで上昇させ、長時間で長距離を移動する間を利用して、民間の衛星通信経由による太陽電池パネル展開やガス放出シークエンス試験の実施を目的としています。実験後は、東京大学において得られたデータや運用実績を基に、"EGG"実験機のフライトモデルの開発や運用計画の立案を進めていきます。

以上

放球されるBS15-07号機の写真

BS15-07号機の放球(その1)

報酬され上昇するBS15-07号機

BS15-07号機の放球(その2)