国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成29(2017)年6月24日(土)午前3時33分に、新型ロードテープを用いた気球飛翔性能試験を目的として、平成29(2017)年度第一次気球実験の2号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積5,000 m3(直径23 m)の大型気球で、毎分およそ330 mの速度で上昇しました。
気球は、放球1時間30分後に大樹航空宇宙実験場東方約50 kmの太平洋上において高度24 kmで水平浮遊状態に入りました。その後午前6時9分に指令電波により切り離された気球及び制御機器部は、大樹航空宇宙実験場南東約20kmの海上に緩降下し、午前6時50分までに回収船によって回収されました。
放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速毎秒1.5 m、気温:摂氏11.7度でした。
参考
気球の縦方向(経線方向)には、ロードテープという気球の骨格の役割を果たすテープが複数本挿入されています。高度30km以上の成層圏を飛翔する大気球の製作において、気球に重い実験装置を吊り下げるためには強度が強く伸びのないロードテープが必要で、これまでは外国製の製品を使用してきました。今回はより軽い国産品として新規開発されたロードテープを使用した大気球の飛翔性能試験を行いました。