国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2022年6月6日(月)午前3時44分に、気球工学実験(新バラスト搭載法の飛翔試験)を目的として、2022年度気球実験のB22-07号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積15,000 m3(直径約34m)の大型気球で、毎分およそ330mの速度で上昇しました。

気球は、放球1時間20分後に大樹航空宇宙実験場東方約58kmの太平洋上において高度27kmで水平浮遊状態に入りました。その後午前6時19分に指令電波により切り離された気球及び搭載機器部は、大樹航空宇宙実験場東南東約30kmの海上に緩降下し、午前7時12分までに回収船によって回収されました。

放球時の地上気象状況は、天候:曇り、風速毎秒1m、気温:摂氏7度でした。

※実験概要
年々高度化が進む気球実験では、搭載機器の重量規模や飛翔要求が多様化し、それに伴って必要なバラスト搭載量も広範にわたってきています。一方で、バラスト量の決定は搭載機器の重量や飛翔要求の確定と表裏一体であり、搭載機器の構造設計を一層困難にする一因にもなっています。そこで、バラスト量の多寡が構造設計に与える影響を緩和するための気球工学技術として、バラスト重量と搭載機器吊り点との間の荷重伝達経路を最短化するバラスト搭載方法の開発を進めています。本実験では、この新方式でバラストを搭載し、搭載機構の飛翔中のダイナミクスを測定することで新方式の機能性を実証します。

放球された大気球B22-07号機(クレジット:JAXA)

放球された大気球 B22-07号機 (クレジット:JAXA)

放球直後の大型放球装置(クレジット:JAXA)

放球直後の大型放球装置 (クレジット:JAXA)