国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2024年7月25日(木)午前0時57分に、レーザー周波数比較による一般相対論の高精度検証に向けた基礎実験を目的として、2024年度気球実験のBS24-03号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張時直径11mのゴム気球で、毎分およそ370mの速度で上昇しました。
ゴム気球は、放球0時間54分後に大樹航空宇宙実験場東方約22km の太平洋上において高度約20km に達しました。供試体は大樹航空宇宙実験場東方約33km の海上に緩降下しました。
なお、レーザー周波数比較による一般相対論の高精度検証に向けた基礎実験に関しては、今回取得したデータを詳しく解析し、今後の研究を進めていきます。
放球時の地上気象状況は、天候:曇り、風速毎秒2 m、気温:摂氏19度でした。
※実験概要
極めて高精度に周波数安定化されたレーザーを大気球に搭載し、地上のレーザーと光周波数を比較することで、将来的に一般相対性理論を高精度で検証することを目指しています。近年急速に発展している高安定・高精度の周波数比較技術を活用することで、測位衛星軌道での検証をも上回る精度での一般相対論の検証が可能となります。2023年度に実施したピギーバック実験では、地上と気球との間の光リンクの実現に必要な気球の位置の高精度でのリアルタイム決定が可能だと確認されました。それを踏まえ,基礎実験の第2段階となる本実験では,ゴム気球に高精度測位モジュールと受光部を搭載し、リアルタイムの測位結果を元に地上から赤外線レーザー光を照射して飛翔中の気球における受光量を測定することで、地上局の気球追跡性能を評価します。
以上