2回目のタッチダウンリハーサル(TD1-R1-A)を10月14日〜16日に行いましたが、最低高度の22.3mに達した10月15日22:44(日本時間)の直前に、望遠の光学航法カメラでのリュウグウ表面撮影に成功しました(図1)。これは、これまでで最も高解像度の画像になります。
この解像度は約4.6mm/pixになります。これは、「はやぶさ2」がこれまでに撮像した中で最高解像度の画像で、直径2〜3cmの非常に細かい岩石まではっきりと視認できています。「はやぶさ」初号機のときのカメラであるAMICA(アミカ)の最高解像度は、6mm/pixでしたので、その解像度を越えたことになります。さらに、探査機から撮影した小惑星表面の画像としては、史上最も解像度のよいものになります。(表面に着陸したMINERVA-II1やMASCOTはさらに解像度のよい写真を撮影しています。)
この画像から分かる特徴は、レゴリス(砂のような物質)が見られないということです。これは、これまで得られた画像からも推定されていましたが、この画像でよりはっきりと分かります。また色が違う小石が混ざっていますが、リュウグウ表面の物質がミキシング(混じり合うこと)した証拠となるかもしれません。
このような高解像度画像が、着陸前の探査機から撮像されることは画期的なことです。1cm程度の粒子まで視認できるこのような高解像度画像は、今後、MINERVA-II1、MASCOTなどの着陸機からの表面画像の解析や、サンプルを地球に持ち帰った後のミクロな分析において、大いに活躍することが期待されます。
参考
図1の撮影領域は次のようになります。
※ 画像を引用する場合にはクレジットを記載してください。もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、東大など」と表記してください。