国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウ試料について、科学的成果の最大化を図るために、世界中より研究を広く公募するための第1回国際研究公募(国際AO*)を実施しておりましたが、この度、40件(9カ国)の研究提案を選定しましたのでお知らせします。
*AO:Announcement of Opportunity
(1)目的
- 世界の研究者から研究提案を募り、研究成果が期待できる研究者に試料を提供することで、「はやぶさ2」プロジェクトの科学的成果の最大化を図る。
- 国際AOを通じて世界の研究者に試料を提供することにより、世界の惑星科学の発展に貢献する。
(2)経緯
- 2020年12月、「はやぶさ2」カプセルの帰還。
- 2021年6月以降、JAXAの試料分析業務として、各大学と連携し、初期分析を実施。
- 2021年12月17日、科学的成果の最大化を図るため、世界中より研究を広く公募する第1回国際AOを発出。
- 2022年3月25日、意思通知書(Notice of Intent)募集締切。105件(19か国)を受付。
- 2022年4月22日、公募受付締切。57件(12か国)の研究提案を受付。
(3)選定結果
- リュウグウ試料研究公募委員会*1(AOパネル)で審議し、57件のうち40件(9か国)(74試料、約230mg)を選定し、2022年6月13日、はやぶさ2サンプル配分委員会*2(Hayabusa2 Sample Allocation Committee「HSAC」)はAOパネルの選定結果を承認。
- 選定された40件のリスト:Accepted proposals of the Ryugu Sample 1st AO
*1:リュウグウ試料研究公募委員会(AOパネル)
研究提案テーマの選定方法の決定、査読者選定、査読評価に基づき採択に関する審議・選定を行い、HSACに選定案を提案する。国内外研究者9名で構成。
*2:はやぶさ2サンプル配分委員会(HSAC)
リュウグウ試料の配分方針の議論、決定のほか、AOパネル委員の選定等を行う。宇宙科学研究所地球外物質研究グループの下に設置。国内外研究者10名で構成。
(4)今後の予定
- 6月末からリュウグウ試料を分配予定。
- 今後も半年ごとに、合計4回の国際AOを実施予定。