「はやぶさ2」は、引き続き順調に小惑星リュウグウへ航行しています。6月6日(日本時間)にはLIDAR(レーザ高度計)とNIRS3(近赤外線分光計)の電源をいれ、いずれも正常に起動することを確認しました。「はやぶさ2」とリュウグウの距離は、2018年6月14日11時00分(日本時間)現在、約758kmです。現在、「はやぶさ2」は光学電波複合航法(注1)という技術を用いて軌道制御しながら、リュウグウに対して毎秒2.15mほどの速さで接近しています。
6月13日時点で、「はやぶさ2」に搭載されたカメラONC-Tで、リュウグウは10ピクセルほどの広がりをもった像として撮影されています。
6月7日、衛星探索のための観測が行われました。「はやぶさ2」とリュウグウの距離は約2100kmでした。小惑星リュウグウが衛星(リュウグウの周りを公転する天体)を持つ可能性があるため、衛星が存在し得ない距離から衛星の探索も行われています。どれだけ小さい衛星であっても、衛星の衝突はミッションにとって危険です。一方、科学的には重要な発見となります。衛星探索のための観測の結果、50cmより大きな衛星は見つかりませんでした。探査機が衛星に近づくに従い、より小さな衛星を見つけることができるため、引き続き探索を行う予定です。
(注1)光学電波複合航法の詳しい解説は、記者説明会資料をご覧ください。
(注2)観測・データ解析は、地上観測チーム(JAXA、京都大学、日本スペースガード協会、ソウル大学)とONCチーム(JAXA、東京大学、高知大学、立教大学、名古屋大学、千葉工大、明治大学、会津大学、産総研)による。