9月22日(金)、火星衛星探査計画(MMX)及びX線観測衛星代替機についてNASAと協力のための実施取決めを新たに締結したことの報告と、宇宙科学・無人探査における両機関の幅広い協力活動の紹介のため、NASAとの共同記者説明会をJAXA東京事務所にて実施しました。
NASAとJAXA宇宙科学研究所の会合を踏まえた共同発表(Joint Release)には、将来の3つの宇宙科学ミッションである火星衛星探査計画(MMX)、X線天文衛星代替機、太陽観測ロケットCLASP-2における協力の実施や、「あかつき」「ひさき」における継続した緊密な協力下におけるデータ分析、協力関係の象徴ともいえる全てのレベルにおいての緊密な対話を続けることの重要性についての合意等が盛り込まれました。
宇宙科学研究所の常田所長は「日米の信頼関係に基づく密接な協力により、代替機によりX線天文学における空白期間を最小とできたこと、火星圏の探査という新たな共同事業を着手したことなど、日米協力は新たな発展の時代に入ったことを、今回の機関間会合では強く感じました」と語りました。
また、NASA科学局のザブーケン局長は「日米の協力は60年以上に及び、民生分野で最も長く、最も実りのある成果を挙げている」「今回、来日において相模原、筑波で世界クラスの科学者、エンジニアと議論ができた。この一週間で両国間の関係に改めて感謝と今後の成果に期待を持った」と述べ、対話を通じて関係が強化されたことへの感謝を語りました。
質疑応答ではザブーケン局長が、火星衛星からのサンプルリターンを行うMMXについて「火星から最初にサンプルに持ち帰るミッションになるかもしれない」と触れ、常田所長から「火星の物質が舞い上がってフォボスに付着している可能性があり、これを持って帰れれば初の火星の物質のサンプルリターンと言える」と補足しました。
この会見の様子は JAXA TV http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/10697.html でご覧いただくことができます。