国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)は2019年6月に小惑星探査機「はやぶさ2」の回収サンプルの分析に関する実施取決めを締結し、協力活動を行ってきました。実施取決めに基づきCNESからJAXAのサンプル分析施設に貸与を受けた赤外分光顕微鏡(MicrOmega)は、小惑星「リュウグウ」のサンプルの分析に大きく貢献しています。これを受けて、2022年6月30日、JAXA宇宙科学研究所 國中 均所長 および CNES Christophe Venet 国際担当理事はMicrOmegaの貸与期間を当初の予定から約2年間延長、2024年6月25日までとして協力を継続することに合意しました。

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CNESから貸与されたMicrOmegaはJAXA相模原キャンパスの地球外試料キュレーションセンター内設備に組み込まれ、2020年12月の「はやぶさ2」の地球帰還以降、サンプルの初期分析・カタログ化において大きな役割を果たしました。現在サンプルは国内外の研究機関へ提供され、水や有機物の存在確認など科学的成果の発表に至っています。また国際研究公募(国際AO)により、世界の研究者へのサンプル配布も進められており、さまざまな研究成果が期待されます。今回のMicrOmegaの貸与期間延長に関する合意を受けて、JAXAは引き続きCNESと連携し、さらなる科学的成果の創出を目指します。