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(左上)配布された最大のリュウグウ粒子A0002、(左下)SPring-8で取得した放射光X線CT像、(中)リュウグウ粒子中の水が関与してできた鉱物群:赤:含水ケイ酸塩鉱物、緑:炭酸塩鉱物、青:酸化鉄、黄:硫化鉱物、(右)中図の白四角領域を電子顕微鏡で拡大した図。(Credit: Ito et al.(2022)より改変)

概要

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)(理事長 大和裕幸)超先鋭研究開発部門高知コア研究所の伊藤元雄主任研究員を代表とするPhase-2キュレーション高知チームは、2021年6月20日(日)から小惑星リュウグウ粒子の分析を開始しました。約1年間にわたり日米英の研究機関・大学にまたがる多機関連携により実施したキュレーション活動の最初の研究成果が、2022年8月15日(日本時間8月16日)に英国のオンラインジャーナル「Nature Astronomy」に掲載されました。

タイトル:小惑星リュウグウ:太陽系外縁部からの来訪者 -多機関連携分析が読み解いた小惑星の記録-
原題:A pristine record of outer Solar System materials from asteroid Ryugu's returned sample
掲載誌:Nature Astronomy
DOI:10.1038/s41550-022-01745-5

本研究のポイント

  1. 分析した試料の鉱物組み合わせは、リュウグウ粒子は形成後に大規模な水質変成を受けたことを示す。
  2. 微細な鉱物と有機物を含む領域の水素と窒素同位体組成の関係は、リュウグウ粒子の構成物質が太陽系外縁部で形成されたことを示唆する。
  3. 粗粒の含水ケイ酸塩鉱物中に、脂肪族炭素に富む有機物が濃集していた。この特徴は、これまでの隕石の研究からは確認されておらず、リュウグウ天体に特有のものと推察される。
  4. これらの結果から、始原的天体中の粗粒含水ケイ酸塩鉱物が有機物や水のゆりかごとなり、そのままの状態で地球に運ばれた可能性が考えられる。

詳しくは、JAXAプレスリリースをご参照ください。