タッチダウン1リハーサル3(TD1-R3)において探査機がリュウグウ表面に近づいたときに、CAM-H(小型モニタカメラ)での撮影を試みました。CAM-Hは皆さまからいただきました寄附金により製作・搭載されたもので、探査機側面の一番下の縁付近に取り付けられています。サンプラホーンの先端が撮影できますが、その背景も撮影することができます。TD1-R3においてCAM-Hで撮影された画像が図1です。

図1

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図1 タッチダウン1リハーサル3(TD1-R3)において小型モニタカメラ(CAM-H)で撮影された画像。2018年10月25日、11:47(日本時間)に上昇を開始した直後(高度約21m)から1秒毎に撮影したもの。上昇速度は約52cm/s。(画像クレジット:JAXA)

プロジェクトメンバーからのコメント

澤田弘崇CAM-H担当より:

非常に良い画像を撮ることができました!
探査機から画像データを地上に送るときは、どんな画像が降りてくるかなとドキドキしていましたが、リュウグウの表面とホーンが写っている画像をみて嬉しくなりました。1秒ごとの画像をつなげると上昇している様子が良く分かります。ご支援頂いたみなさんにも喜んで頂けるかと思います。サンプラ、CAM-H双方の担当としても、本番のタッチダウンに向けて良いリハーサルを行うことができました。

津田雄一プロジェクトマネージャより:

リュウグウから離翔するはやぶさ2を、このようにダイナミックなアングルから撮影できるのが、CAM-Hの醍醐味です。皆さんの力で実現したカメラが、リュウグウ探査の技術と科学に、大きな魅力を加えてくれました。ご寄付を頂いた皆様に改めて感謝するとともに、これからの運用にもどんどん使わせていただこうと思います。

吉川真ミッションマネージャより:

CAM-Hで、あたかも自分自身がリュウグウ上を低高度で飛行しているかのような画像が撮影できるとは思ってもいませんでした。どこかの砂漠の上を飛行しているかのような画像ですが、これは3億kmも離れた小さな小惑星の上空なのです。このようなカメラの搭載をサポートしていただきました皆さま、どうもありがとうございました。

※協力:東京理科大学 木村研究室
(CAM-Hには、過去にJAXAと理科大が実施した共同研究の成果、技術が応用されています。)