「1999 JU3」の名称案に、たくさんのご応募をありがとうございました。皆様のおかげで、はやぶさ2が目指す小惑星にふさわしい名称が決まりましたことを、プロジェクトメンバーも喜んでおります。小惑星の名称にさまざまな制約があるなかで、多くの提案をいただきましたことに、心から感謝いたします。

「はやぶさ2」 が目指す小惑星(1999 JU3)の名称案募集の応募受付は終了しました。

宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げた「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999 JU3」の名称(名前)案を募集します。

「はやぶさ2」が、2018年6~7月に到着する予定の小惑星「1999 JU3」。あなたも、この小惑星の名前を考えてみませんか?

Announcement in English(英語ページ)

「はやぶさ2」 が目指す小惑星(1999 JU3)の名称案募集チラシ

「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ 津田 雄一からのメッセージ

小惑星探査機「はやぶさ2」の目的地である小惑星(仮符号「1999 JU3」)の名前を皆様より募集いたします。

現在順調に飛行中の「はやぶさ2」は、2018年6~7月頃に 小惑星に到着し、リモートセンシングによる観測、ローバ・ランダの投下、サンプル採取、クレーター生成などの運用を行った後、2020年に地球に帰還する計画です。1999 JU3を訪れるのは、人類の作った船としては「はやぶさ2」が初めてです。地球上の望遠鏡では"光の点"としてしかわからなかったこの天体の素性が、「はやぶさ2」によりマイクロメートルレベルで明らかになります。1999 JU3を知ることは、太陽系のルーツや生命の起源への知見も深めてくれるものと期待しています。

ひとたび名称が決まりましたら、運用チームや科学者はもちろんのこと、世界中の人々がその名称で1999 JU3を呼ぶことになります。「はやぶさ2」が訪れるこの前人未踏の小惑星の名前としてふさわしい素敵な名前を、奮って応募いただければと思います。

応募受付期間

2015年7月22日(水)午後1時30分 ~ 2015年8月31日(月)午後11時59分(日本標準時)

応募条件

どなたでも、何回でも応募していただくことができます。年齢、国籍など一切不問です。

小惑星の名称の規約(ルール)

応募していただく名称(名前)案には、国際天文学連合(IAU)が定めている次のいくつかの条件(ルール)があります。

  • 英語のアルファベットで16文字以下であること。日本語の場合はローマ字表記。
  • 1つの単語でできた名称が望ましい。
  • 発音できることばでなければならない。(よめない名前は×)
  • 攻撃的なもの、不快にさせるようなものであってはならない。(他者を傷つける名前は×)。
  • 戦争や政治に関連したできごとや人の名称は、その出来事が起こってから、あるいはその人が死亡してから100年以上経過していなくてはならない。
  • コマーシャルや宣伝となるような名称や、ペットの名称は認められない。
  • 1999 JU3のように、地球軌道に接近する小惑星(NEO:Near Earth Object)については「神話由来の名称」をつけることが慣例になっている(注1)。ただし、天地創造や死後の世界に関するものは避けること。
  • すでにある小惑星や衛星と似た名称は避けること。

注1 ただし、神話由来以外の名称が認められることもある。このことから神話以外の名称案でも応募可能とする。名称案の応募の際には、「神話由来」の名称か「その他」かを選んで応募していただきたい。

すでにある小惑星や衛星の名称を調べるには?

現在登録されている小惑星の一覧は下記のウェブサイトで公開されています(英語)。アルファベット順に並んでいますので、応募しようとしている名前を持つ小惑星があるかどうか調べてみましょう。

Minor Planet Center | Minor Planet Names: Alphabetical List

また、惑星の衛星の名称の一覧は以下のウェブサイトに掲載されています。アルファベット順ではなく、惑星ごとに一覧になっているので、応募しようとしている名前がないか、検索してみてください。

国立天文台 | 惑星の衛星数・衛星一覧

「応募しようとしている名前と同じ小惑星があるかどうか、調べようとしても良く分からない」という場合には、応募されたものにつきましてはこちらでお調べしますので、思いついたものをお送りください(何案でもお送りいただけます)。

応募方法

応募受付は終了しました。多数のご応募をいただき、ありがとうございました。

選考過程

  1. 応募していただいた名称案を「1999 JU3命名選考委員会(仮称)」で選考します。
  2. 選んだ名称を発見者である米国のLINEAR(リニア)チームに伝え、リニアチームからIAUに命名提案をしていただきます。
  3. IAUのCommittee for Small-Body Nomenclature(小天体命名委員会)が名称の審査を行います。
  4. 小惑星の名称は、IAUの下部組織Minor Planet Center(MPC)によって発行される「Minor Planet Circulars(MPCs)」に掲載をもって公表となります。MPCsに掲載される時期は未定ですが、早くて2015年11月末頃と考えられます。MPCsは毎月発行され、MPC/MPO/MPS Archive|IAU Minor Planet Centerから見ることができます。

参考情報

表1 1999 JU3とイトカワとの比較

名称 (未定)名前はまだない Itokawa(イトカワ)
仮符号 1999 JU3 1998 SF36
確定番号 162173 25143
大きさ 推定 直径 約900m 540m×270m×210m
ほぼ球形 2つの大きな塊がくっついたような形。ラッコ型とも。
自転周期 7時間38分 12時間8分
反射率 0.05 0.25
スペクトル型 C型(炭素質コンドライトに近い) S型(普通コンドライト)
太陽からの距離[au:天文単位] 最大1.42 au 、最小0.96 au 最大 1.69 au、最小0.95 au
平均軌道半径 約1億8000万km 約1億9800万km
平均軌道半径 1.30年 1.52年

※ 1au = 149,597,870,700 m、太陽と地球との距離に由来する

1999 JU3の軌道と推定される形状の図

図1 1999 JU3の軌道と、推定される形状 © JAXA

動画

1999 JU3 回転動画1[mp4: 413KB]
1999 JU3 回転動画2[mp4: 401KB]
1999 JU3 回転動画3[mp4: 627KB]

小惑星1999 JU3とイトカワを同縮尺で並べた大きさ比較図

図2 小惑星1999 JU3とイトカワの大きさ比較 © JAXA

小惑星の仮符号の文字列の意味を説明した図

図3 小惑星の仮符号 © JAXA

赤外線天文衛星「あかり」が撮影した 1999 JU3の画像

図4 赤外線天文衛星「あかり」が撮影した 1999 JU3 © JAXA/作成協力: 臼井文彦(東京大学)
画像についての詳細は「あかり」プロジェクトサイトをご覧ください。

お問い合わせ

【応募に関するお問い合わせ先】
小惑星名称案募集係(宇宙科学研究所)
電話番号: 090-5551-1714
受付時間: 月曜日から金曜日までの午前9時30分~午後5時30分まで

参考資料

小惑星探査機「はやぶさ2」パンフレット
小惑星探査機「はやぶさ2」プレスキット
「はやぶさ2」情報源 Fact Sheet Ver. 1.5(2014年11月29日版)