打上げ用ロケットM-V

M-Vロケットは、21世紀を展望して、増大する宇宙科学の要望に応え、過去10年にわたって大活躍した第4世代のM-3SII型ロケットの後継機として、Mロケットによって培われてきた技術を集大成し、宇宙科学の要請に応えるべく大幅な大型化した。

イプシロンロケット M-3SII

M-Vは、日本の宇宙開発に新しい時代を拓いたロケットです。
宇宙科学研究所は、科学衛星打上げ用に開発された一連のM(ミュー)ロケットを駆使して、数多くの科学衛星・探査機を打ち上げ、超新星・オーロラ・ハレー彗星などについて、宇宙観測を精力的に行ってきました。その結果、宇宙科学研究所は世界でも有数の宇宙科学の拠点となっています。
21世紀を展望して、増大する宇宙科学の要望に応え、過去10年にわたって大活躍した第4世代のM-3SII型ロケットの後継機として、Mロケットによって培われてきた技術を集大成し、宇宙科学の要請に応えるべく大幅な大型化したのが、M-Vロケットです。M-Vは、7回の打上げのうち、M-V-4ではASTRO-E衛星を軌道に乗せる事に失敗しましたが、4つの天文観測衛星と2つの惑星探査機を予定通りの軌道に乗せ、惑星に探査の足を延ばす太陽系科学のミッションに新しい時代を拓きました。
全段固体で惑星探査までやり遂げることのできる「世界で最も素晴らしい固体燃料ロケット」として高く評価されましたが、諸般の事情により、2006年9月のM-V-7号機をもって開発が中止されました。

M-Vによって打ち上げられたミッション

打上げ日 ミッション
2006年9月23日 太陽観測衛星「ひので」
小型衛星バス部機能実証超小型衛星:HIT-SAT(北海道工業大学)
ソーラ電力セイル実験小型衛星:SSSAT
2006年2月22日 赤外線天文衛星 「あかり」
Cute-1.7+APD(東京工業大)
ソーラーセイル:SSP(ISAS)
2005年7月10日 X線天文衛星 「すざく」
超小型衛星用分離機構実証システム:TSD(東京工業大)
残留加速度計測装置:RAMS(ISAS)
2003年5月9日 小惑星探査機「はやぶさ」
1998年7月4日 火星探査機 「のぞみ」
1997年2月12日 電波天文観測衛星 「はるか」