2回目のタッチダウンリハーサル(TD1-R1-A)を10月14日〜16日に行いましたが、最低高度の22.3mに達した10月15日22:44(日本時間)の直前に、望遠の光学航法カメラでのリュウグウ表面撮影に成功しました(図1)。これは、これまでで最も高解像度の画像になります。

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[スケール赤] [スケール白]

図1 望遠の光学航法カメラ(ONC-T)によって2018年10月15日、22:40 (日本時間)に撮影されたリュウグウ表面の様子。高度約42mからの撮影となる。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研)

この解像度は約4.6mm/pixになります。これは、「はやぶさ2」がこれまでに撮像した中で最高解像度の画像で、直径2〜3cmの非常に細かい岩石まではっきりと視認できています。「はやぶさ」初号機のときのカメラであるAMICA(アミカ)の最高解像度は、6mm/pixでしたので、その解像度を越えたことになります。さらに、探査機から撮影した小惑星表面の画像としては、史上最も解像度のよいものになります。(表面に着陸したMINERVA-II1やMASCOTはさらに解像度のよい写真を撮影しています。)

この画像から分かる特徴は、レゴリス(砂のような物質)が見られないということです。これは、これまで得られた画像からも推定されていましたが、この画像でよりはっきりと分かります。また色が違う小石が混ざっていますが、リュウグウ表面の物質がミキシング(混じり合うこと)した証拠となるかもしれません。

このような高解像度画像が、着陸前の探査機から撮像されることは画期的なことです。1cm程度の粒子まで視認できるこのような高解像度画像は、今後、MINERVA-II1、MASCOTなどの着陸機からの表面画像の解析や、サンプルを地球に持ち帰った後のミクロな分析において、大いに活躍することが期待されます。

参考

図1の撮影領域は次のようになります。

高度約49mにおいてONC-W1で撮影されたリュウグウ表面

図2 高度約49mにおいてONC-W1で撮影されたリュウグウ表面。撮影時刻は、2018年10月15日、22:39(日本時間)。黄色い四角が図1の撮影領域を示す。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研)

※ 画像を引用する場合にはクレジットを記載してください。もしクレジットの短縮が必要な場合は「JAXA、東大など」と表記してください。