国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、今年度中に打上げ予定の「水星磁気圏探査機MMO(Mercury Magnetospheric Orbiter)」に対し、広く皆様に親しみを持っていただくため、平成30(2018) 年2月20日~4月9日の期間で愛称を募集しました。多くのご応募をいただいた中から選考を行い、最終的に以下のとおりと決定しましたので、お知らせします。
1. 愛称:「みお」 ローマ字表記「MIO」
2. 選定理由
- 「みお」は河川や海で船が航行する水路や航跡の意味をもつことから、これまでの探査機の研究開発の 道のりを示すとともに、これからの航海安全を祈る愛称であること。
- 古くより船が航行するときの目印にする標識を澪標(みおつくし)と云い、和歌では「身を尽くし」の掛詞 になることから、努力と挑戦を続けるプロジェクトメンバーの思いを表していること。
- 水星の磁気圏によって変化する太陽風のプラズマの流れのなかでMMOは探査する。この状況と船 が流れの中を進むイメージが合致すること。
- 海外の方にも発音しやすいこと。
3. 応募状況
応募総数 6,494件
「みお」提案者数は 19件 (ほかに、類似した提案として、「みおつくし」 3件)
4. 選考委員会 メンバー
委員 早川 基 BepiColomboプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ(JAXA宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 教授)
委員 村上 豪 BepiColomboプロジェクトチーム プロジェクトサイエンティスト(JAXA宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 助教)
委員 生田 ちさと JAXA宇宙科学研究所 宇宙科学広報普及主幹
委員 的川 泰宣 JAXA宇宙科学研究所 名誉教授
委員 武内 直子 漫画家
5. その他
7月以降に、「みお」提案者全員に、記念品を送付します。
参考.国際水星探査計画(BepiColombo)と「みお」について
国際水星探査計画(BepiColombo)は、ESAとJAXAの共同で、観測目的に合わせた「2つの周回探査機」を水星周回軌道に送り込んで水星を観測する計画です。水星の表面・内部の観測を行う「水星表面探査機(Mercury Planetary Orbiter:MPO)」と、水星の磁場・磁気圏の観測を行う「水星磁気圏探査機みお」)から構成されています。
JAXAは、日本の得意分野である磁場・磁気圏の観測を主目的とする「みお」の開発と水星周回軌道における運用を担当し、ESAは打ち上げから惑星間空間の巡航、水星周回軌道への投入、MPOの開発と運用を担当します。
「みお」とMPOはアリアン5型ロケットで一緒に打ち上げられ、水星到着後に分離して、協力しながら約1年間の観測を行う予定です。