国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)および欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)は、国際水星探査計画「ベピコロンボ(BepiColombo)」の水星磁気圏探査機「みお」の地球スイングバイ後の軌道計測と計算を行い、「みお」が目標としていた軌道上を順調に航行していることを確認しました。

「みお」は、地球スイングバイにおいて、地球の重力を利用して目標どおり約5km/sの減速を行いながら、2020年4月10日(金)13時24分57秒(日本時間)に地球に最接近し、南大西洋上空の12,689kmを通過しました。ESA深宇宙ネットワーク局の探査機運用により、現在「みお」の状態は正常であることを確認しています。
「みお」に搭載した低エネルギー電子観測器(MPPE/MEA)によって太陽風および磁気圏の観測も行いました。2020年4月9日(木)22時~10日(金)1時頃(UTC)の観測結果からは、太陽風中から磁気圏へと入っていく様子がはっきり捉えられています。
また、地球スイングバイの前後では「ベピコロンボ」に搭載された多くの装置で観測が実施されました。電気推進モジュール(Mercury Transfer Module: MTM)に搭載されたモニタカメラ(MCAM)では美しい地球の姿が撮影されました。

今後は定期的な機能確認に加えて、2020年10月15日に予定している金星スイングバイのような惑星スイングバイや惑星間空間巡航時の科学観測運用を実施していく予定です。

BepiColomboプロジェクトチームプロジェクトマネージャ 小川博之のコメント

予定通り金星に向かう軌道に乗りました。無事に地球スイングバイ運用できましたこと、関係の皆様に深く感謝いたします。またSNS上で応援や地上観測をしていただき誠にありがとうございました。メンバー全員がとても感動し、勇気づけられました。次の金星スイングバイに向けてメンバー一同気を引き締めて臨む所存です。ご協力・応援よろしくお願いいたします。

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詳細は、JAXAプレスリリースをご覧ください。