CLASPが捉えた太陽像

太陽観測ロケットCLASP(Chromospheric Lyman-Alpha SpectroPolarimeter)は、2015年9月3日に打ち上げられ、太陽彩層の詳細な観測を5分間にわたって行ないました。そのうち、太陽の2次元画像から、国立天文台久保雅仁助教を中心としたグループは、わずかに明るい構造が毎秒150キロメートルから350キロメートルという超音速で伝播するという現象を発見しました。5分間という短い観測時間にもかかわらず、太陽のいたるところで、同じような現象がたくさん見つかりました。大気の影響のない状況で、既存装置の数倍の時間分解能(単位時間あたりに撮像する回数)と感度で観測することにより、これまでの観測装置では捉えられなかった、わずかな明るさの変動が伝わっていく様子を詳細に捉えることに成功しました。
本研究の成果は米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載される予定です。