太陽観測衛星「ひので」は、2016年9月23日(日本時間)に打ち上げから満10年を迎えます。「ひので」は、この10年太陽大気で起きる様々な物理現象を観測してきました。「ひので」がとらえた想像を超えた太陽表面のすがたを広く知って頂きたく、約3分の映像にしました。是非ご覧ください。

「ひので」はM-Vロケットにより打上げられた最後の衛星です。打上げ後、「ひので」は地球を周回する軌道に投入され、太陽観測を開始しました。

「ひので」の観測開始後、太陽活動は低調な状態(極小期)に入り、その状態は約100年ぶりに長い期間続きました。高い解像度をもつ「ひので」でとらえた太陽表面は、スピキュール・粒状斑・プロミネンスなど、想像をはるかに超えて、動的な世界でした。さらに、「ひので」は、高解像度の利点を生かして、ほぼ真横からしか見ることが出来なかった太陽の極域領域を継続的に見続け、磁場極性が反転する様子を観測しました。

他にも、「ひので」は金星の太陽面通過や日食など天文現象も観測し、地上からは決して見ることができない映像を届けました。

太陽活動は2014年ころに極大期になり、活動的なコロナや巨大黒点、黒点周辺で起きる活発な彩層、フレア、太陽大気の噴出などを観測しました。

この短編映像で紹介した映像は、「ひので」が10年間に取得したデータの極一部ですが、このような観測データを用いて世界中の太陽研究者が、太陽で起きる様々な不思議を解明するために研究を進めています。今後も「ひので」は観測を継続して、世界の太陽研究を牽引していきます。

ひので(SOLAR-B)プロジェクト