JAXA宇宙科学研究所は、2014年度第一次観測ロケット実験において、S-310-43号機、S-520-29号機による観測実験を行います。
実験期間
2014年7月30日(木)~8月31日(日)(実験予備期間を含む)
実験場所
内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)
打上げ予定ロケット
観測ロケットS-520-29号機「スポラディックE層空間構造の立体観測実験」
打上げ日時
2014年8月11日(月) 19時00分 ~ 19時30分 予定2014年8月14日(木) 19時00分 ~ 19時30分 予定
2014年8月17日(日) 19時00分 ~ 19時30分 予定
[2014年8月18日更新]
観測ロケットS-520-29号機 打上げ結果について
[2014年8月12日更新]
宇宙航空研究開発機構は、内之浦宇宙空間観測所からの観測ロケットS-520-29号機の打上げを、8月11日(月)に予定しておりましたが、観測条件である、ロケットが飛翔する高度100km付近(電離圏 E領域)のスポラディックE層の発生強度が十分でなかったため、8月14日(木)19時00分~19時30分(日本標準時)に延期することとしましたので、お知らせいたします。
打上げ時刻につきましては、19時13分を予定しております。
天候その他の理由で上記日時に打上げができないと見込まれる場合は速やかにお知らせいたします。
[2014年8月8日更新]
宇宙航空研究開発機構は、内之浦宇宙空間観測所からの観測ロケットS-520-29号機の打上げを、本日8月8日(金)に予定しておりましたが、天候不良のため、平成26年8月11日(月)19時00分~19時30分(日本標準時)に延期することとしましたので、お知らせいたします。
打上げ時刻は、19時16分を予定しています。
天候その他の理由で上記日時に打上げができないと見込まれる場合は速やかにお知らせいたします。
実験の目的
地上からの高度が70~130kmの電離圏E領域のプラズマ密度構造は一様ではなく、スポラディックE層(Es層)と呼ばれ局所的に高密度になっている領域に代表されるように様々な空間スケールの疎密が存在し,それが無線通信電波の伝搬を不安定にする要因になっています。
本実験の目的は、スポラディックE層付近での水平方向や鉛直方向のプラズマ密度分布の観測を通して、立体的な空間構造を明らかにし、密度変動の生成メカニズムを解明することにあります。
実験概要
本実験では3つの異なる手法による観測データを組み合わせて電離圏E領域プラズマ密度分布を立体的に観測します。密度の水平方向の分布は、スポラディックE層中に存在する金属イオンによる太陽光散乱光をロケットから撮像し(図中の手法1)、ロケット搭載のプローブ(プラズマを測定するための電極)では飛翔軌道上の詳細なプラズマ分布を観測(図中の手法2)、さらに地上からの送信電波をロケット搭載の機器によって受信し垂直方向のプラズマ密度分布を推定します(図中の手法3)。
本実験では、ロケットから金属イオンによる散乱光の観測を行うため、太陽光が電離圏E領域を照射していることが条件です。但し、成層圏以下(<高度50km)の領域が日照だと、背景が明るく撮影条件が悪くなるため、この領域は日陰の必要があります。この状況になるのは朝夕の短時間に限られますが、本実験は夕方に行うこととしたため、ロケット打上げのタイミングは1日1回に限られます。
参加研究機関
東京大学、北海道大学、東北大学、富山県立大学、東海大学、JAXA
打上げ条件
- ロケットが飛翔する電離圏E領域にスポラディックE層が発生していること
- 太陽光が電離圏E領域を照射し、かつ成層圏以下(高度50km以下)日陰状態であること
実験のイメージ図
観測ロケットS-310-43号機「ロケット慣性飛行中の二相流挙動及び熱伝達特性の観測実験」
打上げ日時
2014年8月4日23時00分~23時30分
[2014年8月1日更新]
宇宙航空研究開発機構は、内之浦宇宙空間観測所からの観測ロケットS-310-43号機の打上げに関しまして、打上げ日を2014年8月3日(日)としておりましたが、本日天候判断を実施した結果、2014年8月4日(月)23時00分~23時30分(日本標準時)に行うこととしましたので、お知らせいたします。
打上げ時刻につきましては、23時00分を予定しております。
天候その他の理由で上記日時に打上げができないと見込まれる場合は速やかにお知らせいたします。
[2014年7月31日更新]
宇宙航空研究開発機構は、本日天候判断を実施し、昨日内之浦宇宙空間観測所からの打上げを天候不良のため取りやめた観測ロケットS-310-43号機について、2014年8月3日(日)23時00分~23時30分(日本標準時)に打上げを行うこととしましたので、お知らせいたします。
なお、打上げ時刻は23時00分を予定しています。
また、天候その他の理由で上記日時に打上げができないと見込まれる場合は速やかにお知らせいたします。
実験の目的
将来の月・惑星探査を考える時、液体水素などの極低温推進剤を主燃料とする軌道間輸送システム(CPS)は、現在主流である常温推進剤を主燃料とするエンジンに比べ、格段の性能向上が見込まれる一方、極低温推進剤の長期保管方法の確立(断熱性能の向上)、同液体推進剤の保持方式の確立(燃料タンク内での液体表面の挙動把握)、効率的な予冷方法の確立(沸騰を伴う液体の熱伝達特性の理解)など、解決すべき課題は多い。本実験では、CPSの主要な構成要素を模擬したシステムを観測ロケットに搭載し、慣性飛行中の極低温推進剤の熱伝達特性に関するデータ取得を行い、CPS実現に向けた解析技術を向上させることを目的とする。
実験概要
今回の実験は、観測ロケットの弾道飛行により、CPSが宇宙空間を慣性飛行している状態を作り出し、ロケットエンジン・ポンプの冷却流路や推進薬タンクの一部を模擬した供試体に極低温流体(液体窒素)を流動させる。これにより、供試体内を流れる液体窒素の観察等を行い、その沸騰・流動状況を計測するとともに,各部の温度・圧力・ボイド率(*)データを取得する。取得したデータにより、推進系の熱流動解析モデルの解析精度向上を図る。
(*)ボイド率:流体の単位断面積に含まれる気泡の面積割合
参加研究機関
東京大学、JAXA、早稲田大学
打上げ条件
ロケットの保安や飛行に影響を与えない天候時であること。