JAXA宇宙科学研究所は、観測ロケットS-310-44号機による観測実験を行います。
実験期間
平成28(2016)年1月12日(火)~2月29日(月)(実験予備期間を含む)
実験場所
内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝属郡肝付町)
打上げ予定観測ロケット
S-310-44号機
観測ロケットS-310-44号機「電離圏プラズマ過熱現象の解明」
打上げ予定日時
平成28(2016)年1月12日(火) 12:00~12:30
平成28(2016)年1月15日(金) 12:00~12:30
[2016年1月13日更新]
宇宙航空研究開発機構は、内之浦宇宙空間観測所からの観測ロケットS-310-44号機の打上げを、1月12日(火)に予定しておりましたが、観測条件を満たさなかったことから、1月15日(金)12時00分~12時30分(日本標準時)に延期する こととしましたので、お知らせいたします。
打上げ時刻につきましては、12時00分を予定しております。
天候その他の理由で上記日時に打上げができないと見込まれる場合は速やかに お知らせいたします。
実験の目的
観測ロケット搭載の観測機器により、高温度層内のプラズマと電場、磁場などと観測し、電離圏プラズマ過熱現象の解明を目的とする。
実験概要
冬の時期、緯度約25~32度の上空にはSq電流系と呼ばれる環状の電流がしばしば発生する。ここでは、通常は南極や北極でしか見られない宇宙空間から地球へ飛び込んでくる電子の加速や加熱といった特異な現象が発生し、こうした電子の作用によってGPS測位の精度や短波通信などが軽微ながら影響を受ける可能性がある。 本実験では、Sq電流系が発生している空域へ観測ロケットを打ち上げ、搭載した観測機器によって観測を実施することにより、こうした現象のメカニズムの解明を目指す。 また、Sq電流系の発生する上空を含む、高度約60kmから約1,000kmの大気の分子と原子が電離して電子とイオンが多量に存在している領域のことを電離圏と呼ぶ。電離圏は地球以外の大気のある惑星にも存在することから、本実験により電離圏の理解が進むことで、地球以外の様々な惑星の大気や電離圏を考えていく上で活かされていくことになる。加えて、GPS測位の精度や短波通信などへの影響を軽減することにも役立てられることが期待される。
参加研究機関
富山県立大学、東北大学、東海大学、九州大学、JAXA
打上げ条件
- ロケットの保安や飛行に影響を与えない天候時であること
- プラズマの高温度層が電離圏下部に発生し、ロケットが通過する領域に存在していること