金星探査機「あかつき」は4月中旬ごろを見込んでいる定常観測移行に先だって、軌道修正制御を実施しました。その後のデータ解析の結果、計画通りに実行されたことが確認出来ました。
軌道修正日時
平成28(2016年)4月4日 16:28
軌道修正のための姿勢制御用エンジン噴射時間
約15秒
使用した姿勢制御用エンジン数
4基
使用した姿勢制御用エンジン位置
トップ側(2015年12月の金星周回軌道投入時と同一)
修正後の軌道について(数値は全ておおよその値)
遠金点37万km、近金点1000-10000km、周期10.8日 (修正前の軌道:遠金点36万km、近金点1000-10000km、周期10.5日)
軌道修正の目的
今後の機体の耐久性によるが、観測期間を延ばせると見込まれる(約800日→約2000日)軌道へ修正すること
- 「あかつき」が搭載しているバッテリーの駆動時間以上金星の陰に入ってしまうと、電力を得られなくなり、搭載機器に影響がでます。
- 金星から最も遠いところ(遠金点)で金星の陰に入ると、遠金点では「あかつき」の軌道速度が遅いため、陰にいる期間が数時間に及び、バッテリの駆動時間を超えてしまいます。
- 「あかつき」の軌道を僅かに修正することで、陰に入るタイミングをずらし、遠金点近傍を通過する期間に、金星の陰に入らないよう調整しています。