国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機「あかつき」を金星周回軌道に投入することに成功しましたので、お知らせします。 姿勢制御用エンジン噴射後の探査機軌道の計測と計算の結果、「あかつき」は、金星周回周期約13日14時間、金星に最も近いところ(近金点)では高度約400km、金星から最も遠いところ(遠金点)では高度約44万kmの楕円軌道を、金星の自転と同じ方向に周回していることがわかりました。

現在、探査機の状態は正常です。

今後は搭載している科学観測機器である2μmカメラ(IR2)、雷・大気光カメラ(LAC)、超高安定発振器(USO)の立上げ及び機能確認を行います。既に機能確認済みの3つの観測機器(1μmカメラ(IR1)、中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI))と合わせて約3か月間の初期観測を行うとともに、軌道制御運用を行って徐々に金星を9日間程度で周回する楕円軌道へと移行する予定です。その後、平成28(2016)年4月ごろから定常観測に移行する予定です。

表 軌道計算結果(12月9日時点)

近金点高度 約400km
遠金点高度 約44万km
軌道傾斜角 約3度(金星の公転面に対して)
金星周回周期 約13日14時間

参考1 金星周回軌道の模式図

金星周回軌道の模式図

参考2 姿勢制御用エンジン噴射後に「あかつき」が撮影した金星画像

あかつきが撮影した金星の画像

1μmカメラ(IR1) 12月7日13:50ごろ撮影(日本時間) 金星高度約6万8千km

あかつきの中間赤外カメラが撮影した金星の全景画像

中間赤外カメラ(LIR) 12月7日14:19ごろ撮影(日本時間) 金星高度約7万2千km

紫外線イメージャが撮影した金星の画像

紫外線イメージャ(UVI)12月7日14:19ごろ撮影(日本時間) 金星高度約7万2千km

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記者説明会資料