宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機「あかつき」を平成27年冬期に金星周回軌道へ投入するための計画および観測計画を策定しましたので、お知らせいたします。
金星探査機「あかつき」は、平成22年12月の金星周回軌道への投入失敗後、平成27年冬期の金星会合の機会に金星周回軌道へ投入する計画の詳細検討を行ってきました。
「あかつき」は金星周回軌道に投入後、リモートセンシングによって地球の双子星と言われる金星の大気を観測する予定です。大気循環のメカニズムの解明や、地球との比較によって「惑星気象学」を発展させることが期待されます。
金星周回軌道への投入計画
投入予定日
平成27年12月7日(月)
観測計画
- 金星探査機「あかつき」は、金星を周回する周期8~9日の楕円軌道上から、複数の観測波長で次の観測を行うことを予定しています。
- 金星から10金星半径程度よりも離れているときには、金星の全体像を連続的に観測し、雲や大気深部、地表面の状態を把握する。
- 金星から10金星半径程度よりも近いときには、雲対流や微細な波動の分布とその変動を明らかにするためにクローズアップ観測を行う。
- 金星に最も近づく付近では、雲や大気の層構造を横方向から観測する。
- 「あかつき」が日陰に入るときには雷と大気光を観測する。
- 「あかつき」から金星の大気を貫く電波を発信し、それを地上で受信することで、大気の層構造とその変動をとらえる観測を行う。