第7回宇宙科学研究所賞(2020年度)

JAXA宇宙科学研究所は、宇宙科学・探査プロジェクトの実施にあたり顕著な功績又は貢献のあった外部機関所属の方々に『宇宙科学研究所賞』を授与しています。

第7回『宇宙科学研究所賞』は以下の2名の方々に2021年1月6日に贈呈されました。
JAXA宇宙科学研究所はこのような機構外からの協力・支援に心から感謝するともに、この2名の方の今後ますますのご活躍を期待します。

受賞者名(敬称略)受賞理由
髙橋 一郎 「はやぶさ2カプセル回収に向けた宇宙庁(ASA)を始めとする豪州政府との調整のほか、帰還へ向けた豪州発の機運醸成に関して、在オーストラリア日本国大使館のご担当として多大なる尽力をいただき、カプセル回収成功に貢献いただいた」
Caitlin Caruana 「はやぶさ2カプセル回収班の豪州入国や豪州内での活動、カプセルの迅速な日本への輸送を実現するため、豪州政府・南豪州政府との調整をリードし、カプセル回収成功に貢献いただいた」

各受賞者のご紹介

髙橋 一郎

在オーストラリア日本国大使館参事官
(教育・スポーツ・科学技術担当):受賞当時

[受賞理由]

「はやぶさ2カプセル回収に向けた宇宙庁(ASA)を始めとする豪州政府との調整のほか、帰還へ向けた豪州発の機運醸成に関して、 在オーストラリア日本国大使館のご担当として多大なる尽力をいただき、カプセル回収成功に貢献いただいた」

詳細:

○ 2018年頃より、カプセル回収に向けた宇宙庁(ASA)を始めとする豪州政府との調整をご支援いただき、2019年12月にはウーメラでの回収リハーサルにも同行していただいた。その際、豪州側との良好な関係構築に貢献していただいた。

○ 2020年7月7日には、JAXA-ASA協力覚書締結署名式に大使にご出席いただくとともに、9日の日豪首脳テレビ会談において日豪宇宙協力の象徴として「はやぶさ2」のカプセル帰還が言及されたことを踏まえ、日豪宇宙協力の重要性をアピールすることで、8月にカプセル着陸許可証(AROLSO)を取得するのに尽力いただいた。

○ 新型コロナウィルスによる渡航制限下において、カプセル回収班が特例入国での豪州渡航・回収活動できるよう、タイムリーな現地情報の収集や宇宙庁(ASA)や内務省を始めとする豪州政府との調整を大使館挙げてご支援いただいた。

○ 2020年11月には、豪州国立科学技術センター(クエスタコン)や国際交流基金等と協力し、キャンベラにおいて、はやぶさ初号機の帰還に当たっての人間模様をテーマにした「はやぶさ 遥かなる帰還」(2012年、東映)の上映会を開催し、12月の帰還に向けた豪州発の機運醸成に尽力いただいた。

○ 2020年12月にはカプセル回収に当たり、次席公使を始めとする3名の大使館員とともに現地へ出張いただき、プレス対応のほか、宇宙庁(ASA)や国防省との関係強化などを通じ、カプセル回収の成功に貢献いただいた。

[髙橋 一郎 (たかはし いちろう)]
2000年3月中央大学法学部卒業。同年4月文部省入省。外務省国際文化協力室勤務などを経て、2005年7月より米国留学。2007年5月ジョージタウン大学ローセンターより修士号(Master of Laws)を取得。2011年4月~2013年6月、山梨県教育庁学術文化財課長として富士山のユネスコ世界文化遺産登録などに携わる。2013年7月~2017年7月、文部科学省競技スポーツ課及び内閣官房東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部事務局において東京大会の準備に向けた業務等に従事。2017年7月より在オーストラリア日本国大使館勤務。2021年1月に帰国後、文部科学省高等教育局学生・留学生課留学生交流室長として勤務。

Caitlin Caruana

Assistant Manager, International Engagement
Australian Space Agency

[受賞理由]

「はやぶさ2カプセル回収班の豪州入国や豪州内での活動、カプセルの迅速な日本への輸送を実現するため、豪州政府・南豪州政府との調整をリードし、カプセル回収成功に貢献いただいた」

詳細:

○ 新型コロナウイルスの影響で外国人の入国が制限される中、豪州内務省をはじめとする関係省庁および南豪州政府との全面的な調整役となり、回収隊が入国許可を得られるよう調整した。また回収隊の入国後、アデレードからウーメラへスムーズに移動・活動開始できるように支援していただいた。

○ カプセルの着陸、豪州から日本へと輸送にあたりその特殊性から豪州関係機関との複数の調整事項が複数あり、解決に向け関係機関と連携していただいたことで、サンプルの科学的価値を損なうことなく日本のキュレーション設備への迅速な輸送が完了した。



[Reason for award]

The Australian Space Agency has substantially contributed to the successful Hayabusa2 Recovery Mission in Australia by leading the coordination between JAXA and the Australian Government as well as with the South Australian Government. Especially because of Ms Caitlin Caruana’s outstanding support, the Hayabusa2 team was able to conduct the activities in Australia, and the Hayabusa2 capsule was smoothly transported to Japan even in the difficult situation caused by COVID-19.

Detail:

○ Acting as an overall and principal liaison between JAXA and the relevant Australian ministries and agencies, Ms. Caruana has worked devotedly to realize the Hayabusa2 team’s travel to Australia during the entry restrictions placed due to COVID-19. Also, her substantial support extends to have the team allowed to cross interstate border from Adelaide to Woomera.

○ Because of its specificity, the process of landing approval at Australia and transportation clearance to Japan of Hayabusa2 capsule required multiple coordination with the relevant Australian ministries and agencies. Ms. Caruana carried out various tasks and communications with the related entities to align the coordination. The sample was successfully and smoothly transported to the Japanese curation facility without compromising its scientific value.

[Caitlin Caruana]
Caitlin Caruana is the Assistant Manager for International Engagement at the Australian Space Agency, where she builds and manages relationships with international space agencies to help grow the Australian space sector.
Before joining the Agency, she was the Deputy Director (Industry and Science) at the Australian Embassy in Washington DC, where she supported the development of strategies to strengthen Australia’s engagement with the US and Canadian governments on innovation, science, resources, and space policies.
She also worked for the Department of the Prime Minister and Cabinet, where she worked on multiple federal budgets in the Cabinet Division, including as Budget Coordinator for the 2016-17 Budget, and on energy and resources policy following the 2016 South Australian blackout.
Caitlin has a Bachelor of Arts (International Studies) (First Class Honours) from RMIT University in Melbourne, Australia.