第8回宇宙科学研究所賞(2021年度)

JAXA宇宙科学研究所は、宇宙科学・探査プロジェクトの実施にあたり顕著な功績又は貢献のあった外部機関所属の方々に『宇宙科学研究所賞』を授与しています。

第8回『宇宙科学研究所賞』は以下の2名の方々に2022年1月6日に贈呈されました。
JAXA宇宙科学研究所はこのような機構外からの協力・支援に心から感謝するともに、この2名の方の今後ますますのご活躍を期待します。

受賞者名(敬称略)受賞件名
(特別賞)
Hansjörg DITTUS
「はやぶさ2搭載マスコット(ロボット)への貢献」
船﨑 健一 「ISAS先端工作技術グループと岩手大学の協力関係構築に貢献」

各受賞者のご紹介

Prof. Dr. Hansjörg DITTUS

ハンスイェルク・ディトゥス 教授

ブレーメン大学:受賞当時

[受賞理由]

打ち上げ直前に、はやぶさ2〜マスコット間の通信インターフェースにトラブルが発生したものの、宇宙研からの提案として探査機運用でリカバリーする方法をご了承される等、ご高配をいただいた。 また、DLR〜宇宙研間の良好な協力関係をさらに発展するようご尽力いただいた。

[Prof. Dr. Hansjörg Dittus]
Education: 1977 - 1982 Study of Physics and Geophysics, Ludwig-Maximilians- University, München (Munich), Germany; Examination for Diploma in Geophysics (Diplom-Geophysik), 1982
1986 Doctoral Degree (Promotion) Dr. rer.nat., Institute of General and Applied Geophysics, Ludwig-Maximilians-University, Munich (Faculty for Geosciences)
1982 - 1986: Scientific Staff Member at the Institute for General and Applied Geophysics, Ludwig-Maximilians-University, München (Munich), Germany
1987 - 2008: Scientific Staff Member at the Centre of Applied Space Technology and Microgravity (ZARM), University of Bremen, Germany
1990 - 2008: Deputy Institute Director of ZARM
since 2006: Professor, Faculty of Production Engineering / Engineering Sciences of the University of Bremen
2008 - 2011: Director of the Institute of Space Systems (Bremen), German Aerospace Centre (DLR)
2011 - 2021: Member of the Executive Board of the German Aerospace Centre (DLR) responsible for Space Research and Technology Development
2021: Professor for Space Systems, Faculty of Production Engineering / Engineering Sciences of the University of Bremen

Space research and technology development during the time from 1989 to present
1988: Start of the German - Japanese partnership in microgravity research.
Between 1989 and 2000: various projects in fluid mechanics and materials sciences under weightlessness conditions between my former institute (Centre of Applied Space Technology and Microgravity, ZARM) at University of Bremen. Intensive cooperation between the former Drop Tower facility in Kamisunagawa (Hokkaido) and research organisations based in Sapporo (Professor Ito et al.) as well the Kono-Lab at Tokyo University for Combustion research under weightlessness. During that time, I also had a cooperation with IHI (Dr. Jun´ichi Sato). We also had an intensive cooperation with the Drop Tower facility in Toki City until its closing.
Long lasting cooperation with Professor Kuroda, Tokyo University about gravitational physics and fundamental physics experiments in space.

ZARM had a cooperation with ISAS which started in 1987 for the MUSES-A Moon mission. My personal cooperation, in particular with Professor Kawaguchi started roughly 2004 when discussed I discussed first time with Professor Kawaguchi about the measurement of eventual deviations from nominal orbits after Earth fly-bys (Fly-by-Anomaly)
Between 2005 and 2015: Cooperation with Professor van der Ha at Fukuoka University.
2011 Start of Cooperation on MASCOT for Hayabusa 2 with ISAS (Professor Tsuneta)
2016 Start of Cooperation on MMX

船﨑 健一 教授

岩手大学理工学部 教授:受賞当時

[受賞理由]

ISAS先端工作技術グループと岩手大学ものづくりエンジニアリングファクトリー(※)の協力構築に尽力した。この協力は、将来の宇宙科学(宇宙理工学)ミッションに向けた研究開発の共同検討および共同研究の推進と共に、先端工作技術に関する多様な人材育成・人材活用を目指すものである。
これまでの具体的な成果として、
(1) RV-X、ATRエンジン等のJAXAプロジェクトについて試作・検討からBBM/EM開発まで実行したこと
(2) 双方職員の先端工作技術の蓄積および高いレベルでの学生教育を実現したこと
が挙げられる。
この協力は今後、加工技術のさらなる向上、各種プロジェクトへの継続的支援・推進、大学・高専など技術者間の幅広い人脈構築をもたらし、ひいては宇宙科学におけるフロントローディングおよび新たな技術獲得に大きく貢献することが期待される。このように同教授が中心となり精力的に進めた協力構築が宇宙科学にもたらした恩恵は多大であり、宇宙科学研究所賞に値すると考えられる。
※ 岩手大学理工学部におけるものづくり教育の根幹的な部分を強化・改善するとともに、起業家精神旺盛な人材を育成するための仕組みを学部等の教育プログラムに組み入れることを目的とした事業

[船﨑 健一 教授]
1985年3月東北大学大学院工学研究科博士課程(機械工学専攻)修了(工学博士)。同年4月石川島播磨重工業(株)入社。航空エンジンタービン部の研究開発に従事。1989年6月に岩手大学工学部機械工学科に赴任(講師)。1991年6月同助教授。1999年4月同教授。2016年4月より現職。主として、航空エンジン、ロケットエンジンの高効率化、信頼性向上に関する空力、伝熱、構造に関する教育研究に従事。2000年度〜2001年度に文部省国立天文台地球回転研究系客員教授、2000年度に航空宇宙技術研究所客員研究官、2017年度〜2019年度に宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所客員教授をそれぞれ併任。2014年度〜2015年度に岩手大学工学部長、2016年度〜2019年度に岩手大学理工学部長。2016年度日本ガスタービン学会副会長、2017年度日本ガスタービン学会会長。
(受賞)
2005年度日本ガスタービン学会賞受賞(論文賞)、2007年度日本ガスタービン学会賞受賞(論文賞)、2011年度日本機械学会流体工学部門一般表彰受賞(フロンティア表彰)、2011年度日本機械学会フェロー、2014年度ターボ機械協会賞(論文賞、技術賞)、2015年度日本ガスタービン学会賞(論文賞)、2017年度ターボ機械協会賞(論文賞2018年度、日本機械学会流体工学部門(部門賞)