能代ロケット実験場

能代ロケット実験場は、1962(昭和37)年東京大学生産技術研究所(現在のJAXA宇宙科学研究所)の付属研究施設の一つとして開設されました。

開設と同時に、科学衛星および宇宙探査機の打上げに使われるM型ロケットや観測ロケットのロケットモータの開発を行うための各種の地上燃焼試験を行ってきました。

宇宙科学研究所では1975年から液体酸素と液体水素を推進剤としたロケットの開発や、1988年からは世界に先駆けて高性能のエアーターボラムジェット(ATR)エンジンの研究開発を行ってきました。能代ロケット実験場では、エンジンの飛翔実験に先立って地上で性能を確認するための試験などを行っています。

ATRエンジンは、将来の完全再使用型宇宙輸送機に用いられるもので、飛行中に大気中の空気を吸い込み酸化剤として利用していることから、ロケットのように大量の酸化剤を持って飛行する必要がなく、その分多くのペイロードを輸送することができます。
固体推進剤ロケットのための試験設備の他に、こうした将来型の高性能エンジンの研究開発に必要な各種の試験設備も設けられています。

所在地 〒016-0179
秋田県能代市浅内字下西山1
TEL : 0185-52-7123
FAX : 0185-54-3189

施設・設備紹介

秋田県能代市浅内の日本海に面した南北に細長い敷地に、固体ロケットモータの地上燃焼試験に必要な施設設備(大型大気燃焼試験棟、真空燃焼試験棟、冷却水供給設備、高圧高純度窒素ガス製造気蓄設備、火薬庫、火工品操作・接着剤調合室、エンジン準備室、第1・第2計測室、研究管理棟、中央管制設備、データ集中処理装置、機材庫など)と、液酸・液水エンジンのシステム試験を行う施設設備(液化水素貯蔵供給設備、竪型燃焼試験棟、極低温推進剤試験棟、エアターボ・ラムジェットエンジン試験設備など)の主要建屋が設置されています。

大型大気燃焼試験棟

大気中を飛翔する大型固体ロケットモータの性能を調べるための燃焼試験を行います。
モータ組立・分解塔設備,懸垂式テストスタンド設備、計測・操作・電源系準備室より構成され、テストスタンドを覆う固定及び移動ドームにより供試モータを屋外気象条件から保護しています。テストスタンドから約30mの距離に設置された耐火コンクリート製火炎偏向盤により、排気ガスを上空に偏向、拡散させて隣接海域の汚染を予防しています。

真空燃焼試験棟

真空中を飛翔するロケットモータの性能を調べるための燃焼試験を行います。大気中での燃焼試験も行うことができます。棟内には、幅7.6m、高さ6m、長さ13.3m、内容積475m3の大型真空槽が設置されています。真空槽天蓋部が油圧自走装置によって移動することができる構造になっているので、長さ10m、直径3m、総重量30トン、推力150トンまでの固体モータの真空燃焼試験および大気燃焼試験を行うことができます。
1982年の完工以来、槽天蓋を退避させた状態での大気燃焼試験、真空槽に大気開放拡散筒を結合して行う真空燃焼試験が頻繁に実施されています。M-Vロケット3段目モータやキックモータなどの燃焼試験もここで行われました。また、この真空設備の大容量と構造上の利点を生かして、ペネトレータ貫入実験など様々な理工学実験にも活用されています。

見学案内

見学についてはこちらのページをご参照ください。

アクセス

東京から鉄道で
東京駅(東北新幹線で秋田駅まで約4時間)
(奥羽本線で東能代駅まで約1時間)
東能代駅(タクシーで能代ロケットセンターまで約20分)
能代ロケット実験場
東京から飛行機で
羽田空港(飛行機で大館能代空港まで約1時間10分)
大館能代空港(連絡バスで能代市内まで約60分)
能代市内(タクシーで能代ロケットセンターまで約15分)
能代ロケット実験場
秋田県能代市浅内字下西山1