内之浦宇宙空間観測所
内之浦宇宙空間観測所は、科学観測ロケットや科学衛星の打上げ、それらの追跡とデータ取得などの業務を行っています。
所在地 | 〒893-1402 鹿児島県肝属郡肝付町南方1791-13 TEL : 050-3362-3111 FAX : 0994-67-3811 |
アクセス |
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見学案内 |
施設・設備紹介
起状の多い地勢の山腹を削って構成された台地に、機能的な建物が配置されており、世界に類ない特色ある観測所となっています。
Mセンター
Mセンターは標高210m、面積25,000平方メートルの、Mロケット発射台地です。ここにはMロケット発射装置、ロケット組立室、衛星整備センター、発射管制室があります。
KSセンター
KSセンターは、標高276m、面積7,000平方メートルの、SS-520、S-520及びS-310型観測ロケットの発射台地です。観測ロケットは組立室で組み立て、ランチャーに載せられます。ランチャーはロケットを載せてランチャードームへ移動し、ドーム内でロケットを発射方向へ向けて発射姿勢をとります。発射時には、ロケット発射方向にあるドームの天蓋を開くとともに、前後と両側の扉を排煙のために開きます。
コントロールセンター
KSセンターから打ち上げる観測ロケット(SS-520、S-520、S-310など)の発射管制指令卓及び点火管制卓が置かれ、一連の発射作業を管制します。また、レーダデータを集中的に管理し、飛翔径路の制御を表示すると共に、電波誘導および飛行安全のための計算を行う計算機が設置されています。
テレメータセンター
衛星テレメータセンターでは、深宇宙探査機や地球周回衛星の追跡管制が行われています。
センターに34mパラボラアンテナ(Sバンド及びXバンド)、気象台地(衛星ヶ丘展望台)に20mパラボラアンテナ(Sバンド及びXバンド)を設置し、センター内に設置されたテレメータ受信復調設備、コマンド信号発生設備、ドップラー追跡設備などで、衛星からのデータ取得や衛星への指令を昼夜を問わず行っています。
レーダテレメータセンター
宮原地区にはロケット追跡用のレーダテレメータセンターがあり、直径7mのロケット追尾用レーダ(宮原レーダ)と、直径11mのテレメータ・コマンド送受信アンテナ(宮原テレメータアンテナ)の2つのアンテナが設置されています。
ロケットに搭載された各周波数帯のレーダトランスポンダからの電波を自動追跡して、刻々と変わるロケットの位置を正確に把握し、ロケットの姿勢基準軸修正および3段目ロケットの点火時刻の修正を行う電波誘導コマンド機能を持っています。
20mφパラボラアンテナ
内之浦宇宙空間観測所で一番高い台地に設置され、衛星からの電波(Sバンド及びXバンド)を受信する直径20mのアンテナで地球周回軌道に打ち上げられる科学衛星を追跡受信します。アンテナペデスタル(アンテナ局舎)には、テレメータ受信・送信設備、及び距離・距離変化率計測設備等が設置されています。受信された信号は光伝送設備によって衛星テレメータセンターへ伝送されます。
34mφパラボラアンテナ
34mアンテナはアンテナペデスタル(アンテナ局舎)の上にアンテナが乗っかったような構造となっています。ペデスタルの大きさは44m×29mもあり、送受信機等の各種機器を納める機器室や、管制室はこの中に作られています。
台風の直撃を受けるため、耐風性能は瞬間最大風速90mに耐えること、という厳しい条件が課せられたアンテナです。そのため、各部の部材はとても頑丈に出来ており、総重量は820トンもあります。
これだけ大きなアンテナを周回衛星の追跡に使えるよう方位角方向で毎秒5度、仰角方向で毎秒2.5度という高速で動かすことができ、しかもKaバンドでの追尾が可能な高精度マウントを備えているというのは世界的にもあまり例がありません。
管理棟
内之浦宇宙空間観測所の職員が観測所の一般的な管理事務や施設の維持管理を行う建物です。大会議室があり、観測ロケット、衛星打上げ作業期間の初期には、全員ここに集まって会議を行います。
計器センター
記者会見室があり、観測ロケットやイプシロンロケットの打上げ前後にはここで記者会見が開かれます。
イプシロン管制センター(ECC)
イプシロンロケットの発射管制や搭載する人工衛星の管制を行うほか、射場や海上の監視、気象観測などの打ち上げに必要な作業を行います。
イプシロン支援センター(ESC)
イプシロンロケットの射場作業において、ロケット系、衛星系、総務系、企画系の要員が作業する建物です。
宇宙科学資料館
ロケットや科学衛星、打ち上げ施設設備、科学観測機器等のモデルやパネル、実際に使用した試作・試験品を展示しています。
【開館時間】8時30分~16時30分
【休館日】2ヶ月に1回の特別清掃日(事前にご確認ください)、ロケット打上げ日
「おおすみ」打上げ記念碑/糸川英夫博士の像
1970年(昭和45年)2月11日、日本は、米国、ソ連、フランスについで、自力で衛星を打ち上げた国となりました。この記念碑は、多くの困難を克服して「おおすみ」打上げを成功に導いた先輩を讃える碑であると共に、今なお、当時の人々の苦労をしのばせ、ことある毎に私達を励ましてくれるのです。
また、ペンシルロケットに始まる日本の宇宙開発の父である糸川英夫博士を称えての銅像が、全国からの支援により2013年11月11日に建立されました。
見学案内
アクセス
- 東京から飛行機で
- 羽田空港(飛行機で鹿児島空港まで約1時間50分)
- 鹿児島空港(リムジンバスで鹿屋バスセンターまで約1時間40分)
- 鹿屋バスセンター(タクシーで内之浦宇宙空間観測所まで約1時間)
- 内之浦宇宙空間観測所
※鹿屋〜内之浦のバスもあるが1日4〜6本。内之浦のバス停からさらにタクシーで10分
- 鉄道で
- 鹿児島本線・鹿児島中央駅(バスで鴨池港まで約20分)
- 鴨池港(フェリーで垂水港まで約35分)
- 垂水港(バスで鹿屋バスセンターまで約1時間)
- 鹿屋バスセンター(タクシーで内之浦宇宙空間観測所まで約1時間)
- 内之浦宇宙空間観測所
※鹿屋〜内之浦のバスもあるが1日4〜6本。内之浦のバス停からさらにタクシーで10分