国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケットSS-520 5号機が、「smallest orbital rocket」としてギネス世界記録(※1)に認定されましたので、お知らせします。
1.SS-520 5号機のギネス世界記録について
URL:http://www.guinnessworldrecords.com/world-records/smallest-rocket
記録名 :smallest orbital rocket / 最小の軌道ロケット
記録数値 :高さ9.54m 直径0.52m(代表径)
記録詳細 :The smallest orbital rocket is SS-520-5, measuring 9.54 m (31 ft 3.5 in) tall and 0.52 m (1 ft 8 in) in diameter and weighs 2,600 kg (5,732 lb), achieved by Japan Aerospace Exploration Agency (Japan) in Uchinoura Space Center, Kagoshima Prefecture, Japan, launched on 3 February 2018.
2.SS-520 5号機の成果や今後の展望について
SS-520 5号機の開発を通し、国際競争力のある超小型衛星および超小型打上げシステムの実現に向けて、参画した民間企業も含め、小型・低コスト・短期間での開発を行うための技術を獲得するとともに次世代の人材の育成に寄与できました。
JAXAは、我が国における宇宙での実験・観測、将来輸送技術分野等において本成果を活用して参ります。それとともに、小型で低コストの打上げシステムの実現・普及などにより、世界のより多くの人々が宇宙を生活、学術、産業等において広く活用できるよう、今後このような先導的な技術がさらに産業界も含めて積極的に活用されていくことを期待しております。
羽生宏人 SS-520 5号機プロジェクトマネージャのコメント
「我が国の科学技術水準の高さ、そして永年培ってきたロケット開発および運用の基盤があったからこそ、世界に例のないほどに小さな衛星打上げ用ロケットが実現されたのだと思います。この成果を活かし、さらなる技術の高度化を目指したいと思います。」
※1)ギネス世界記録はギネスワールドレコーズリミテッドの登録商標です。
参考:SS-520 5号機について
SS-520 5号機はJAXAの観測ロケット(SS-520)をベースに開発した小型ロケットです。 平成30(2018)年2月3日(土)に内之浦宇宙空間観測所から打上げられ、搭載した超小型衛星「たすき」(TRICOM-1R)の軌道投入に成功しました。
本件は経済産業省平成27年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証)の採択をうけて実施しました。
SS-520 5号機主要諸元
全長 | 9.54 m |
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直径 | 0.52 m(代表径) |
全備重量 | 2.6 ton |
燃料 | 固体燃料 |
段構成 | 3段式 |
打上げ能力 | 低軌道に4kg以上 |
打上げ場所 | 内之浦宇宙空間観測所 |
打上げ方式 | ランチャ滑走方式 (吊下げ式) |