図1

図1 MAXI J1348-630の観測波長域ごとの光度変動(1,2,4段目)、波長ごとの強度比(3段目)と、擬似カラー(赤:2-4keV、緑:4-8keV、青:8-20keV)による観測イメージ図(最下段の写真)。青(高エネルギーX線が比較的多い状態)から赤(低エネルギーX線が比較的多い状態)へ、そして再び青へ遷移する様子がわかります。

概要

理化学研究所、JAXAを中心とするMAXIチームは、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームに搭載されている全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image:MAXI)による観測で、ブラックホールX線連星MAXI J1348-630(以下、J1348)を発見しました。ブラックホールX線連星は2019年時点で70天体ほどしか見つかっておらず、稀な天体です。

MAXIや米国のガンマ線バースト観測衛星(Swift:スウィフト)で取得されたJ1348のエネルギースペクトルを調べた結果、J1348の降着円盤は、明るさの割に低い温度で光っていることがわかりました。見積もられたJ1348の質量は太陽の約7倍より重く、その正体はブラックホールであると判明しました。

ブラックホールのサイズが小さい場合は、狭い領域に吸い込まれる直前の物質が集められ、高速回転により生じる物質同士の摩擦熱で温度が上昇します。J1348の降着円盤の温度はやや低いため、J1348は比較的大きいブラックホールであると研究チームは結論付けています。

その観測成果をまとめた論文が米国天体物理学専門誌「アストロフィジカルジャーナルレター」に掲載されました。

詳細は以下のページをご覧ください。
https://iss.jaxa.jp/kibouser/pickout/71943.html