図:MAXI/SSCによる疑似カラー合成全天マップ。赤、緑、青はそれぞれ0.7-1、1-2、2-4keVに対応している。

図1 MAXI/SSCによる疑似カラー合成全天マップ。赤、緑、青はそれぞれ0.7-1、1-2、2-4keVに対応している。(c) RIKEN/JAXA/MAXI team

国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォームに搭載の全天X線監視装置(Monitor of All-sly X-ray Image:MAXI)は、観測装置SSC(ソリッドステートスリットカメラ)を用いた全天マップを作成しました。X線CCDを用いた軟X線帯域の全天マップとしては、世界で初めての結果です。

X線CCDは高いエネルギー分解能を持っているので、X線放射の物理的起源について詳しく調べることが可能となりました。今回の観測結果により1keV(キロ電子ボルト)前後の軟X線巨大X線構造(図1の赤色)が、銀河系内に分布する大規模な高温プラズマからの熱的放射であることが、はっきりしました。加えてこれまでより精度の良いマップが得られたことで、この巨大なX線構造の形態がよりはっきりしました。強度が高い部分に着目すると、銀河中心の北東を中心とする球形であり、一方、弱い強度分布まで調べると、その構造は銀河中心に対して対称である可能性も新たに示されました。

この成果は2020年4月発行の日本天文学会 欧文学会誌『 Publication of Astronosical Society of Japan(PASJ)』2020年第2号 に掲載され、得られた全天マップ画像(図1)は同誌表紙にも掲載されました。(掲載論文のタイトル:"MAXI/SSC All-sky maps from 0.7 keV to 4 keV")

詳細は、JAXA 有人宇宙技術部門 きぼう利用センターのページをご覧ください。