月面探査計画に再び注目が集まる中、いよいよSLIMの打上げが迫ってきました。(*追記 2023年9月7日に打上げられました)
ここでは、SLIMについて映像で簡単に紹介します。
ミッション概要
SLIMは ①高精度着陸(ピンポイント着陸)技術、②軽量な探査機システムの実現 により、将来の月惑星探査の多様化や高頻度化に貢献することを目的としています。
機体
限られたリソース(許容重量)で難しい場所(岩場や傾斜地)に着陸するために最適化された形をしています。
(※ SLIMプロジェクトサイトから、簡易3Dモデルのデータをダウンロードできます!)
技術
SLIMが着陸目標地点とするのは、月の赤道より少し南にある「神酒の海」近くの「SHIOLI」クレーター付近。
月上空で自分の位置を正確に知り、傾斜地へピンポイント着陸するための新しい技術を採用しています。
画像照合航法
垂直降下シーケンスシミュレーション (二段階着陸)
衝撃吸収脚 試験
観測
月周回衛星「かぐや」などの成果により、月のクレーター斜面には月内部から噴出したと考えられる岩石(カンラン石)が掘削され露出している事が分かりました。SLIMでは、この岩石を分光カメラで観測し、月の形成と進化の謎に迫りたいと考えています。
また、SLIMは着陸直前に2つの小型プローブを分離し、月表面移動技術の実証や月面上での写真撮影などに挑戦します。
※ SLIMの「技術」や「月のサイエンス」について、詳しくはSLIMプロジェクトのウェブサイト、x(ツイッター)をご覧ください。
※ ISASニュースでは、SLIMプロジェクトの連載「SLIM the Moon Sniper ― 降りられるところから、降りたいところへ ―」を開始しました!
さらに詳しく
なぜいまピンポイント着陸の実証が必要なのか、そのためにどんな技術が開発されてきたのか。研究者たちの声をお聞きください。
小型月着陸機SLIM-月探査は新時代へ- (坂井 真一郎)
月着陸実証機SLIMにまつわる裏話 〜SLIMはこうして一本足になった〜 (河野 太郎)
SLIM高精度月着陸のキーとなる誘導航法制御技術 (伊藤 琢博)
小型月着陸実証機「SLIM」及び小型プローブ「LEV」 の記者説明会 (坂井 真一郎・大槻 真嗣・坂下 哲也)(2022年3月15日)
《記者説明会資料》
ゲーム スタイル教育コンテンツ (JAXA宇宙教育センター)
JAXA宇宙教育センターでは、小学高学年~中学生向けにゲームを通じてSLIMを学ぶ教育コンテンツを提供しています。
SLIM : The Pinpoint Moon Landing GAME
《世界初の正確な月面着陸への挑戦だ! 》
(ステージ1)スイングバイ、(ステージ2)月の表面を調査、(ステージ3)月面に着陸!
関連記事
- SLIMの月面ピンポイント着陸技術(宇宙科学最前線)(石田 貴行,伊藤 琢博)
- 小型月着陸実証機SLIMの着陸機構(宇宙科学最前線)(河野 太郎)
- SLIM the Moon Sniper ― 降りられるところから、降りたいところへ ―(ISASニュース 連載)
- なぜ、宇宙研はSLIMをやらなければいけないのか? (ミッションに関連して思うこと)(澤井秀次郎)
- SLIMへの期待 ~将来の月面活動に向けてシナリオ検討を進める:佐伯孝尚氏・森治氏インタビュー~ (あいさすGATE)
- 今こそ、月へ!将来の月面活動に繋がるシナリオとは? ~第一級の月面科学を実現するためのシナリオと実現性の検討:佐伯孝尚氏、森治氏、吉光徹雄氏、田中智氏、磯部直樹氏~(あいさすGATE)
- 小型月着陸実証機 SLIM おすすめコラム(三菱電機 DSPACE)
関連リンク
- SLIM Project 概要説明資料(プレスキット)
- 小型月着陸実証機 SLIM プロジェクト
- Twitter | @SLIM_JAXA (小型月着陸実証機SLIM)
- X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)の打上げについて (2023/07/11 JAXAプレスリリース)
- XRISM × SLIM 特設サイト (ファン!ファン! JAXA)
- ペーパークラフト(月球儀)
(2023/08/17)